カート・ヴォネガット

 このところボーっとすることが多い。日常を回転させる歯車が一個足りないみたいな感じだ。
 本もしばらく読んでいない。すぐに眠くなってしまうのだ。
 公演が終った直後にそういう状態になることはあったが、稽古真っ盛りの今、なぜそんな風になってしまったのかが今一わからない。
 稽古に向かう途中、中野坂上の文教堂書店に寄り、何か面白い本はないかと探したが、琴線に触れるものはなかった。

 6時過ぎにダイナマイト写真ガイ浅香登場。
 「カタギノマタギの写真を健さんに渡しておいてくれ」とのこと。
 出来あがった写真を見ると、いつものことながら俺はしょっちゅう目をつぶっている。
 なぜだろう?
 親父もそうなのだ。
 遺伝か?

 阿部君が風邪をひいてしまい、稽古は殆どなかった。代わりに30分にわたって鬼ごっこをして汗をかいた。
 30分もやればかなりいい運動になる。
 そして稽古は早めに終わり、安楽亭で焼肉を食った。

 10時過ぎ、健ちゃんと会い、カタギノマタギの決算報告書を受け取る。
 「ネクタイ返してよ」と健ちゃんに言われたが、ものの見事に忘れていた。
 「ごめん。小金井にあるんだ。今度返すよ」それは本当である。

 健ちゃんに貸していたカート・ヴォネガットの「スラップスティック」が返ってきたので、帰りの電車で読む。
 カート・ヴォネガットの作品はどれも大好きなのだが、中でもこれはベスト3に入る。
 イライザがヘリの上からシェイクスピアのソネットを送るシーンは、何度読んでも全身に鳥肌が立つ。
 こういう芝居が書けるようになりたいと思うが、いつも違うものになってしまう。
 しかも次のマグネシウムリボンは、「ギョーザ大作戦」である。
 一体どんな芝居になることか。
 自分で言ってどうするってなもんだが。