池袋のラーメン二郎

 一体どうしたというのだろう。
 4月に入ってから、東京はカリフォルニアになってしまった。
 半袖の人々が町を行き交う卯月。
 素直に喜べばいいのか、地球温暖化を憂えればいいのか。

 とにかく、薄着である。
 しかし、まだ半袖はやめておいた方がいい。
 夜の帰りが遅くなり、気温が急激に下がったりしたら、哀れ雪のかけらと成り果てた、かの南極探検隊スコット隊長の運命が、僕や貴女を待ち受けているかもしれない。

 とはいえ、昼はやはり暑い。
 ただでさえ暑がりの俺である。
 オフィスの空調が、23℃に設定されていたので、頭の中で汚らしいスラングをわめき散らしながら、19℃に変えた。

 夕方、山ちゃんの芝居を観に、池袋まで。
 シアターグリーンにて7時開演だったが、6時20分に着いてしまったので、ラーメン二郎にて腹ごしらえ。

 ちなみに、池袋のラーメン二郎は、かの有名な慶応大学三田校舎そばにある、ラーメン二郎三田本店の、フランチャイズ契約店である。
 ゆえに、二郎フリークにはおなじみの、「小ダブピリ辛ヤサイ増しニンニク油増し…」という、「ふっかつのじゅもん」みたいな注文方式はとられていない。
 おまけに、近くにある人気店「屯ちん」に客を取られて、店内はがらがらである。

 味の方は、実は結構うまいのだ。
 油の量も好みに応じて変えられるし、本店に比べるとトッピングは気軽に頼めるし、なぜ空いているのかむしろ疑問である。
 俺は「屯ちん」より、二郎だな。

 グリーンに着くと、田中智保ちゃんが受付をしていた。
 目配せをしたが、キリリッとした営業スマイルで返された。
 セクハラしたわけでもないのに、セクハラしたみたいな気分だった。

 山ちゃんは、婆さんの役だった。
 パンフレットに、正直に生年月日を記入しているところに、なぜか極真魂を感じた。

 終演後、キリリッの智保さんに、キラキラッと目配せをし、山ちゃんと少し話す。
 山ちゃん、前に会った時より痩せていた。

 帰りにマツキヨで、寝る前に足の裏に貼って余分な水分をとるシート、を買った。
 前から気になって仕方がなかったのだ。
 
 9時50分に帰宅し、9時55分には着替えてマラソン。
 50分も走ってしまった。
 なぜか?
 道に迷ったのである。

 金竜飛戦直前の矢吹丈みたいになって、ふらふら帰宅。
 すぐシャワーを浴び、かるくビールと懇ろになり、さてこれからくだんの足の裏シートを貼るのである。
 明日、俺がいなくなっていたら、頼むからシートを捨てないで欲しい。
 多分その中にいるだろう。