女の子をエチュード稽古

 平日の稽古は夕方6時からである。
 しかし、仕事が終わるのが5時半なので、頑張っても少し遅れてしまう。

 残業にならないように、与えられた仕事をきっちりこなし、中野南台に向かう。
 智保ちゃんは既に来ていた。

 本日の参加者は、智保さん、山ちゃん、健ちゃんの3名。
 山ちゃんが思わず、
 「少ないねえ!」
 と言った。
 なんのなんの。まだまだこれからですぜ。

 女の子二人のエチュードを中心に稽古する。
 女の子の稽古は非常に楽しい。
 色んな角度から分析し、課題を出し、窮地に追い込み、克服させ、かと思ったらまた窮地に追い込む。
 そういうことを繰り返していくと、その人の本音というか、素の自分というものが、じわじわと見えてくる。
 今回の参加者はみんな大人で、酸いも甘いも噛み分けた大人の考えを持っていた。

 健ちゃんは、マグネシウムに参加して日も長いので、こういうときはサポート役に回ってもらうことが多い。
 しかし、男子三日会わざれば刮目して見るべし、という言葉の通り、ひょっとしたら俺の知らない間に、俺の知らない健ちゃんになっているかもしれない。
 松井さんが来たら、そのあたりを色々突っつくのも一興だろうか。

 稽古でわかったこと。
 智保ちゃんは智保ちゃんなりに、エンジンを回転する方法論があり、それは真冬の暖機運転に少し似ていた。
 山ちゃんは山ちゃんなりに、エンジンを分解する方法論があり、それはイングランドのフーリガンに少し似ていた。

 稽古後、健ちゃんは茅場町でバイトのため、寂しそうに帰っていった。
 残る3人で中野新橋の養老之滝にて軽く飲む。

 帰りの丸の内線。
 中野坂上で智保ちゃんと別れ、四谷で山ちゃんと別れる。
 四谷で山ちゃんは、めちゃくちゃでかい声で、
 「明日は1時っすよね! 頑張ります! じゃあねえ塚さん!」
 と言ってホームに降りると、窓の外から俺に向かって手を振ったり、変なポーズを決めたりしていた。
 酔客の多い車内とはいえ、あまりの恥ずかしさに、穴があったら入りたいと思っていたら、電車はすぐトンネルに入った。