ゴロゴロ

 喋り過ぎなくらい喋った翌日というものは、妙に落ち着いてしまう。
 外は昨日ほど寒くはなさそうだったが、痛めた喉を休めるため、日中は家でゴロゴロしていた。

 昼過ぎに中山君から電話。

 「もしもし?」
 「お久しぶりです。中山です」
 「久しぶり」
 「お元気ですか?」
 「悪くはないよ」
 「実はですね、小松加奈ちゃんか、平光君の電話番号を教えていただきたいと思いまして」
 「いいよ」

 寝っ転がったまま、彼女の自宅と携帯の番号を教えた。

 「ありがとうございます」
 「どういたしまして」
 「実は、ジェリービーンズの稽古があると思って学校に行ったんですが、誰もいなかったんですよ」
 「そうなんだ」
 「これから、確認してみます」

 ジェリービーンズは、平光君(みつ夫のことである)の劇団である。
 6月頃に公演があり、中山君が出演するわけだ。

 どこも忙しくなってくるなあと思いながらぼんやりしていると、再び電話が鳴った。

 「もしもし?」
 「どうもどうも、お久しぶりです。オギノです」
 「久しぶり」
 「実はですね、平光君の電話番号を教えていただきたいと思いまして」
 「またか」
 「はい?」
 「さっきも中山君から同じ趣旨の電話が来たよ」
 「そうなんですか。あ…ちょっと待って下さい。…わかりました。大丈夫です。それじゃ」

 何が大丈夫なのかわからなかったが、オギノ式は電話を切り、俺は小金井の午後2時半の世界に突然取り残されてしまった。

 夕方、外のすさまじい風にビビリながら外に出る。
 漠の芝居に行くべきか迷ったが、疲れて眠かったし、日記のアップとかを済まさなければならなったので、明日行くことにする。

 ネタ倉に、昨日の稽古で使ったミニ台本をアップする。
 しかし、ネタ倉のフォームは読みにくい。
 もっと読みやすい工夫を考えなくてはなるまい。

 そういえば最近、本編の台本を書いていない。
 自分では、寝かせているつもりなのだが、あまり寝かせすぎるのもよくないだろう。
 ゴールデンウィーク前に、20ページくらいは書いておきたい。
 実際は、10ページもいけば、御の字だったりして。

 立川談志の「新釈落語噺」を読み返す。
 「欠伸指南」の解説をしながら、「爛熟」と「退廃」の違いを論じているところが、鋭いと思う。
 俺なりに定義をしてみると、「爛熟」は泥酔で、「退廃」は二日酔い、と、こうなる。