小泉内閣発足

 開高健の「ずばり東京」を読む。
 1963年から64年にかけて、週刊朝日に連載されたルポルタージュで、オリンピック以前の東京が、まろみのある視点で描かれている。
 さすがに元寿屋宣伝部でウイスキーのコピーを書いてた人らしく、表現のディテールがキャッチーで隙がない。

 コピーライターという職業が世間に認知されたのは、恐らく糸井重里氏が活躍した80年代からだと思う。
 「萬流コピー塾」なんてのもあったっけ。
 文章を書くのには根気と自制心が必要だと思うが、コピーには才能が必要だと思う。
 理屈ではなく、センスが重要ということかもしれない。
 「?のような」を「?みたいな」にした方がイイ、とかそういうことは、理屈じゃなくてセンスの問題だと思う。
 作家というよりは詩人の感性だ。
 芝居の台詞についても、決めの台詞を考えるときは、一つのコピーを考えるのと同じプロセスをたどるのではないか。

 思いついたことは手帳に書き込むようにしているが、どうも最近、いい決め台詞が思いつかない。
 字余り、蛇足、尻すぼみだらけだ。

 たぶんスランプだろう。 

 このところ本を読むペースが早いのは、無意識に言霊を補給しようとしているのだろう。

 小泉内閣が発足した。
 組閣は小泉氏が一人で電話を使って行ったそうだ。
 これにより、最大派閥の橋本派は入閣者数が減少し、無派閥の入閣が増え、女性も増えた。
 橋本派が何も言わないのは、現時点で国民人気が高い小泉氏を下手におろすのは、参院選に向けてマイナスになるからだという意見があった。
 これを逆説的に解釈すると、国民が支持し続けていれば、小泉内閣は党内で安泰ということになる。
 面白い。
 極めて間接的な直接民主制だ。

 とりあえず、参院選のある夏までは、各方面が静観の構えであるというわけだ。
 大過なく過ぎれば、改革もあり得るってことだろうか?
 それとも、夏までに何か仕掛けてくるのだろうか?
 さあ、どうなるどうなる。