狼が来た

 遅まきながら、OFFICE97を2000にアップグレードした。
 これで台本書きが少しは楽になるだろうか?

 健ちゃんが言うには、今までのマグネシウムリボンのペースから言って、台本の進行具合は早いとのこと。
 昨日村上と話した時も、まだひと月半あるでしょうと言われた。
 が、どうも不安がぬぐえない。
 何が不安なのかもわからない。

 不安を感じることは悪いことではない。
 不安から逃げるために必死になるからだ。
 だから、不安を口にするのは毎度のことだ。
 「狼が来た!」ってなもんだ。

 しかし、「狼が来た!」と嘘をついていた少年は、やり方がまずかったと思う。
 「狼が来た」という情報を、あまりに惜しげもなく村人に与え過ぎた。
 小出し小出しにしていけば良かったのだ。
 まずは「狼を見た!」と、村人の不安を煽る。
 次に「夜の間にニワトリを襲っていた!」と、緊張を高める。
 それから「狼に襲われそうになったけど逃げてきた!」と、パニックへの仕込をする。
 村は当然のごとく戒厳令下に。
 ここですぐに「狼が来た!」と言ってはいけない。
 もはや狼はどこかへ行ってしまったのだろうと村人たちが思い始めるまで待つわけだ。
 村人達は、かつて狼の恐怖に震えた夜を決して忘れてはいない。
 機が熟してから叫ぶ「狼が来た!」の叫び声は、村を易々とパニックに陥れるだろう。

 突然だが、ビールがうまくなった。
 夏が近いということだな。