80年代

 本番が近づいてくるにつれて、日常が日常でなくなってくる。
 時間に追われる感覚が蘇る。
 なぜ追われるのか、そんなことはわからないのだ。
 ただ純粋に、追われるのだ。

 捕まったらどうなるのか。
 捕まったことがないから、はっきりしたことは言えないのだが、たぶん、恐ろしいことになるのだと思う。
 己の中で密かに飼い続けていた闇が、ついに現実世界に生きる肉体を捕捉し、糸でぐるぐる巻きにし、貪り食うという悪夢が、現実になるのだろう。

 人間にひびが入ると、ちょっとやそっとじゃくっつかない。
 だから、なぜ逃げるのかなどと考えるヒマがあったら、足を動かせ、てなもんだ。

 「コミック雑誌なんかいらない!」を観た。
 20年前の年代がブームになるのは、ある種の法則であり、2000年代は1980年代ブームが起こるわけだ。
 この映画には、80年代のエッセンスがぎっしり詰まっていた。
 初めて観た時は、まだ80年代だったから、そんなことには気が付かなかったが。
 ビートたけしがかっこいい。カッコつけなくてもカッコいいという境地にいる。