公演のアンケート

 特に暑くもないのに妙に寝苦しい夜だった。
 起きてからも苦しさは変わらず、昼なのに寝苦しかった。
 でも、寝てはいないので、寝苦しいという表現はおかしい。
 さしずめ、息苦しい、だろうか。
 いや、生き苦しい、だな。

 そういうわけで、さえない日中を過ごし、夕方は、「ギョーザ大作戦」に来てくださったお客様の名簿整理をした。
 アンケートを改めて1枚1枚見直す。
 全体的に多かった意見は、ずばり、「お腹がすいた」

 あと、どうでもいいことを大げさにやるのが、「いい」という意見と、「駄目」という意見があった。

 芝居中に色々な調味料をボールにじゃんじゃんぶち込んでいたのを見て、「あれで本当にうまいのか?」という意見も結構あった。
 もちろんうまいわけはなく、途中でダミーのボールと本当のボールを入れ替えたりしていたのだが、ドタバタするシーンが続いたため、ほとんどのお客さんには気づかれなかったようだ。
 ダミーのボールは、こっそり楽屋にはけていたのだ。
 楽屋にはいつも、出番を待つ飯野がいて、嫌そうな顔をしてボールを受け取ってくれた。

 芝居をしながらニセの味付けと本当の味付けを同時にしなくてはならず、初日のギョーザにはほとんど調味料が入っていなかった。
 皮肉なことに、この日のギョーザが一番おいしかった。

 芝居に慣れてくるに従い、おのおのが自分好みの味付けをする余裕が出来てしまい、味がどんどん濃くなっていった。

 3月の時点では、手製の皮で水餃子を作る予定だったのだが、裸火を使うわけにはいかず、断念した。
 もしも金があったら、ちゃんとした厨房の装置を作り、揚げたり蒸したり焼いたり茹でたり、色々なギョーザを実際に作り、調理法の文化的背景や味の優劣などを検証してみたかった。
 まあ、年末ジャンボにでも当たれば、そういう機会もあるだろう。

 ラストシーンに関しては、「?」という意見がいくつかあった。
 「あっけない」
 「寂しい」
 「唐突」
 などなど。

 台本を書き始めた頃は、ちゃんとしたラストシーン像があった。
 テーマはごく簡単。
 「餃子を知ることは中国を知ることである。ゆえに、餃子の中身は日中友好である」
 そして中国の国歌が荘重に流れ、パンダの鳴き声が響きわたるうちに、暗転。

 作業を終え、ご飯と納豆を食う。
 昨日、とんねるずの番組で、高島礼子様が出演なさっており、納豆が好きだとおっしゃっていたので、わたくしは納豆を買って、食べたのである。