静かな夜

 「夏の終わり」という言葉はよく聞く。
 「秋の始まり」という言葉はほとんど聞かない。

 でも、夕方6時過ぎになると薄暗くなってくるのは、秋の始まりを意味しているのだな。
 秋は嫌いだが、日が沈んでしまえば結構好きなのだ。

 いや、日が沈んでしまえば、どの季節も悪くない。
 基本的に夜が好きなのだ。

 春なら、午後時頃の。まだちょっと冬の寒さが残った感じがいい。
 夏なら、午後10時。線香花火が一番きれいな時間だ。
 秋なら、午前2時。街が本当に静かになる。
 冬なら、午後5時。日が沈みたての、家路につくのをせかされる感じがいい。

 朝は苦手だ。
 眠い。

 夕方、うちに帰ると、なぜか冷蔵庫が冷えていなかった。
 食材を全部出し、スイッチを調整する。
 買ってから9年稼動し続けている冷蔵庫なのだが、そろそろ引退の時かもしれない。

 なすとキャベツとにんじんを味噌でいためて食う。
 夜が静かだ。
 音楽でもかけるとしよう。