ニューヨークテロ事件

 朝からニュースでは、世界貿易センタービルのテロ事件で持ちきりだ。
 新聞も当然のことながら、ほとんどのスペースを割いている。

 飛行機が激突する映像は、暗喩でもなんでもない。
 まさに、死の直喩だ。
 何度も見ていると、飯が喉を通らなくなってくるのは、動物としての正しい反応だろう。

 世界貿易センタービルは、ニューヨークの象徴であり、つまりはアメリカの象徴であり、それがわずか一時間余りで無残に崩れ落ちていく映像は、アメリカ人でなくても十分ショックだ。

 イスラムの仕業なのかどうかはわからないが、資金力だけでああいうテロは出来ないだろう。
 無論、組織力だけでも駄目だろう。
 統制がきちんと取れた政治組織ほど、国際政治の駆け引きを肌で感じられる位置にいるから、あそこまでのテロ行為が、地球を敵に回してしまうことを理解しているだろうし。
 となると必要な要素は、盲信だけだろう。
 オウムみたいな。

 ここまで大それたテロを敢行できてしまうカルトのボスは、おそらく奇妙なまでに幼児めいた世界観の持ち主なのかもしれない。
 大人は、とてもああいう絵は描けない。

 夕方7時近くまで、地道に仕事をした。
 色々思うところあり、とりあえず今の俺に出来ることは、一日一日をすごろくみたいにこなしていくことだけだとわかった。

 本を読んで、本を書いて。
 マラソンして、稽古して。

 仕事後、駅の売店の新聞をちらちら覗くと、やはりどの新聞もテロ事件を大きく扱っていた。