夏の遺言

 お彼岸間近に残暑のプレゼント。
 30度の気温は、秋に対して裸に毛布一枚だけ状態のわたしにとって、とってもつれない感じがした。
 じらされてる感じ。

 昼、屋上で日光浴でも使用かと考えたが、木陰を恩恵と感じるのも今の季節が最後だろうと考え、公演のベンチに行った。
 風が気持ち良かった。

 夕方、桟敷童子の板垣さんと、神田川沿いのマラソンをする。
 中野通りから戻る時、薄暮の中にキラキラとおもちゃみたいに光る高層ビル群を目の前に見ながら走った。
 なかなかいいもんだが、テロ事件のことも連想してしまう。

 風呂泥棒のシーンを稽古する。
 演出の伊原さんチェックが、段々細かく入ってくるようになり、自然、稽古は熱を帯びる。

 伊原さんの演出方法は、本人がバリバリの役者ということもあり、演技の説明をするのに自分で実際にやってみせるという方式をとることが多い。
 が、本来なら、ほかに演出助手がいて、役者としての伊原さんもちゃんと活躍できるようなスタイルをとる方がいいのだろう。
 演技説明をする伊原さんをみて、「肉体の疼き」という言葉が思い浮かんだ。