書き欲

 雨の降った翌日にうって変わって快晴となるのは、秋の不文律とも言える。
 しかし、気温はさほど上がった感じがしない。
 昨日同様、上着が必要に思えたので、着て行った。

 昨日読み終わった「ベストセラー小説の書き方」が妙に頭に残る。
 読みながら反発を覚えつつも、最近の自分が忘れかけていた何かを刺激されてしまったみたいなのだ。
 どういうことかというと、昔は俺も、ただ文章を書くことが楽しく、一日に数時間は必ず紙に向かって何事かを書き散らしていたのだ。
 パソコンが手に入ってからは、キーボードに向かって。

 だが最近は、書くことが昔ほど楽しくなくなってきていたのだ。
 もちろん日記とか雑文の類は別に苦労することなくヘラヘラ書いていられた。
 が、マグネシウムリボンを有らしめる唯一の行為としての、台本書きが苦痛となってくると、これはマグネシウムリボン存亡の危機ではないか?
 そんなことを考えながら、「ベストセラー小説の書き方」で書いてあった単純至極なメッセージ、「読んで読んで読みまくれ。書いて書いて書きまくれ」を思い出していたのだ。

 やはり、書かなければ。
 桟敷童子の稽古に入り、頭が役者モードに切り替わっていた嫌いがあるが、それはそれとして書くことを忘れてはいけないのだ。

 自分一人で勝手に興奮し、仕事先のコピー用紙の裏などに、思い浮かんだ考えやプロットなどを書き残す。
 地道だが、今できることはそのくらいだ。

 夕方、桟敷童子稽古。
 自分の中にいる二人の人間のうち、役者人間の方はここでストレスを解消する。
 どっちが楽しいとかいう問題ではなく、どっちもやることでバランスをとろうと思った。
 おお、久しぶりの意識改革だ。

 横岳が見学に来た。
 ちょっと太ったらしい。
 友よ。