役者力

 すさまじい風が吹き荒れていた。
 春一番はもう吹いたはずだし、桜は満開寸前だ。
 では一体この風はなんだろう?
 季節と関わりのないただの南風だろうか。

 アパートの周りは庭土に囲まれている。
 そのため強風の日は窓を開けられない。
 そんなことをしたら部屋の中がネバダ州みたいになる。

 だからいい天気にもかかわらず窓を閉め切っていた。
 癪にさわるのでホットカーペットをしまうのをきっかけに部屋の掃除を丹念にした。
 ついでに洗濯もした。
 すべてが終わるまでに1時間半かかったが、きれいに片づいた部屋のど真ん中で大の字に寝転がる快楽を久しぶりに味わった。

 夕方、下北沢劇「小」劇場へ。
 桟敷童子でお世話になった伊原さんが客演している芝居を観る。
 ユニットTOGETHER AGAINプロデュース「浪漫?吹く風を心の友と」
 元・唐組の桜井ひとみさんも出ていた。

 伊原さんはカメラマンの助手を演じていた。
 脚本がウェルメイド志向だったので、いつも桟敷童子で観ている時のような荒々しい動きはなく、よそ行きの伊原さんだったが、荒ぶる魂が肉体を振動させるような演技が時たま見られた。
 ”役者力”かもしれない。

 桟敷童子の池下さんも見に来ていた。
 終演後、挨拶をして帰る。

 最近、タンパク質をあまりとっていないので、99円ショップで豆腐を買う。
 うちについてから丸ごと食う。
 タンパク質、脂質、炭水化物の比率は、4:3:3がいいらしい。
 なぜなのかはよくわからないけど。

 「嵐が丘」読み終わる。
 昔読んだ時ほど感動しなかった。
 作者が亡くなった時の年齢を越えてしまったからだろうか?