楽観的な鳩

 7時半に目覚ましをセットしていたのだが、7時25分に自然と目が覚めた。
 暖かくなってくるとそういうことがよくある。
 体内時計の精度が上がるのかもしれない。
 しかし自然に目が覚めたからといって沢山寝たわけではないから眠くて仕方がなかった。

 トーストとヨーグルトを食べ、コーヒーを飲んでから出かける。

 トイレで顔を洗ったりしたにも関わらず、午前中は眠気がとれなかった。
 昼はパンとゆで卵を食い、野菜ジュースを飲む。
 公園のベンチに座って食べていたのだが、いつの間にか隣の席に鳩がとまってこっちを見ていた。
 群れの中でも特に楽観的な奴だろう。
 いつか俺がえさをくれるに違いないと思っているらしかった。
 しかし一匹にえさを与えるとどういうことになるかは、公園にいる鳩の数を推し量るまでもなくわかっていたので、俺は俺のえさを俺に補給し続けた。
 そのうちその鳩はどこかへ行ってしまった。
 ちょっと寂しくなって桜の木に目を移すと、昨日の強風で大分散ってしまっていた。
 この分では4月まで咲いているかどうか怪しい。

 午後も相変わらず眠気はとれなかった。
 トイレに行こうと思い席を立ち、扉の取っ手に触れると久しぶりに派手に放電した。
 どうして俺はこんなに静電気がたまるようになってしまったのだろう。
 ノイローゼになりそうだ。

 仕事後、中野弥生町へ。
 ワークショップは5月公演の稽古が始まってからも毎週金曜日に行うことにした。
 成果を得るためには継続が必要と考えたわけだ。
 しかし、俳優修行の成果をどこに求めるのかというのは難しい問題だ。
 極めて個人的なことだからだ。
 昨日久しぶりにメソッドの本などをひもといてみたのだが、文章の形で箇条書きにできる「成果」というのは存在しないという考えが強まるばかりだった。
 ならば、四の五の言わずに「やれ」ということだ。
 まるで偏差値40からの東大受験術みたいだ。

 望月のキャラクター作りが面白かった。
 彼のことは学生時代からずっと見ているのだが、素の自分と演ずる自分の区分けが曖昧なところに伸び悩みの根本的な原因があった。
 要するに、素の自分も「演じて」いるということが、役作りをややこしいものにしているのだった。
 そこで、演技をしない素の自分をさらに深く探り、そこからほんの少しずつ人格的特徴を加えて見たところ、今までの彼とは違う別の何者かになれる兆しが見えた。
 歩みはゆっくりだが、この方法で毎週進めていくとどうなるのか、非常に面白いと思っている。

 ワークショップは夕方10時終了。
 帰りに99円ショップに寄り、食材その他を買う。