花見

 桜が散ってしまう前に拝めるものは拝んでおこうと思い、千鳥ヶ淵に行ってみた。
 ボートに乗って満開の桜を下から眺めるのもオツなものと考えたのだ。

 しかし九段下の駅に着いた途端、その願いは不可能であると知った。
 歩道は桜を眺める人であふれ、ボートは1時間以上待たねばならない状況だったのだ。

 堀に沿って人の波が移動しており、流れに乗りながら桜見物をした。
 散り始めているとはいえ、木によってはまだ満開状態を維持しているのもあった。
 さすがに来週の週末あたりでは厳しいだろう。

 内堀通り沿いに飛鳥建設のビルがあり、そこの10階を花見客用に無料開放していた。

 靖国神社は屋台のワールドカップが開かれているような状態だった。
 たこ焼き、フランクフルト、焼きそば、お好み焼き、あんず飴、綿菓子、射的、くじ、とうもろこし、おでん、焼き鳥、ジュース、お酒、その他色々。
 テキ屋界には値段に関しての申し合わせがあると思しく、例えばたこ焼きならどの屋台でも500円だった。

ドネルケバブサンドを頬ばる私

 小金井に戻りそのまま学芸大へ行き、劇団漠の卒業公演「なすの庭に夏」を観る。
 なぜか97年度生の三代川も出演している。
 奴は去年卒業し、夏あたりからなぜか大阪で一人暮らしをし、今年になってから戻ってきていたのだ。
 この公演を最後に芝居をやめ、就職をするつもりらしい。

 終演後、武蔵小金井のラーメン屋に寄り熊本ラーメンを食う。
 9時頃帰宅。
 卒業生の追い出しコンパが夜中の1時からあるので、それに合わせて仮眠をとる。

 12時半頃浅香から電話。
 予定よりも開始時間が早まったとのこと。
 シャワーを浴びてから学校に向かう。

 実は先々週、マルメ人形造形女のモチメから去年もらった自転車が盗まれたのだ。
 ちょうどその日は上の階に新しい住人が引っ越してきたのだが、引っ越しのどさくさに何者かが盗んでいったらしいのだ。

 おかげで学校まで歩いて行かねばならなかった。
 これは一つの試練だ。

 サークル棟にて追いコンはすでに行われていた。
 あいている席に座らせてもらい、恒例となった後輩達による出し物を観る。

 三代川はすっかり落ち着いた風情で、昨年、一昨年と泣きの涙に沈んでいたのに比べると少しは大人になったように見えた。

 珍しく後輩の子達といろんな話をする。
 酒が入るに従ってどうしても演劇論を「一席ぶつ」みたいな感じになってしまうのは、年の差ゆえに仕方のないことだと言いたいが、おのれの性格にも一因はある。
 そういうのは後で赤面するのだ。

 しかし本当の赤面というか自己嫌悪は、翌日になってやってきたのである。