なぜか一睡もせず

 昨日の晩はなぜか一睡も出来なかった。
 3時を過ぎたあたりから寝なくちゃまずいなと思っていたのだがずるずると朝まで起きてしまった。
 徹夜しても大丈夫だという夜の自分がそこにいたわけだ。

 ところがそのまま一夜明けて仕事に出かけると昼の自分になる。
 夜の自分がしでかした睡眠不足という不始末によるリスクを被る。
 どうして夜の自分は徹夜しても大丈夫だなんて思ったのだろう。
 昼の自分は嘆く。

 そしてこれを書いている現在は4/3の朝4時である。
 仮眠をとり風呂に入った直後の明け方の自分である。
 だから昼の自分の気持ちはあまりよくわからない。
 想像して書いている。

 人生がゲームだとしたらゲーム内容はリレーではないだろうか。
 昨日の自分からバトンを受け取り、今日の自分は走る。
 しかしいずれ今日という日は終わり、明日の自分にバトンを渡さなければならなくなる。

 そんな人生ゲームリレーの昨日を書く。
 フランスでは大統領選が間近だが、娼婦の候補者がいるという記事を新聞で読んだ。
 党の名前が「快楽党」
 失恋した者は救急車で運ぶという政策を掲げていた。
 
 夕方より鍋横で稽古。
 先日音速かたつむりの公演に出ていた山本君が見学に来た。
 「夏の子プロ」の稽古をする。
 今回の稽古ではいつもより配役が慎重だ。
 おそらくキャラクターづくりの稽古を何度も積み重ねてきたからだと思う。
 本日は望月のやる役が決定した。
 役が一つなのに演じられるキャラクターが3つばかりあるため、これからいらない要素を削いでいく予定。

 つるまみと中山君のコンビはよく同じ芝居に出ているため普段の会話の息が合っている。
 しかし今まで芝居中にコンビを組んだことはないようだ。
 もったいない。
 今回の芝居で生かせないだろうか。
 可能性を考えよう。

 健ちゃんが手書きで稽古場の地図を書いた。
 「これでどうだ」
 と自信満々に見せてくれたのだが、あるはずのない交差点が描写されていた。
 松本健方向音痴疑惑は深まるばかりだ。

 一睡もしてない割に普通の稽古が出来た。
 そのかわり稽古終了時に脳内のブドウ糖は空っぽだった。
 中野駅まで歩いたが、途中で膝が笑い始めた。

 「中山君」
 「何ですか」
 「歩けない」
 「まだまだありますよ」
 「ふらふらするんだけど」
 「僕は絶対に手を差し伸べませんからね」

 そのうちに酔っぱらったみたいになった。

 「中山君」
 「今度は何ですか」
 「酔っちゃった」
 「もう少しですよ」

 千鳥足のまま中野駅到着。
 10時半に実家へ帰る。

 実家はしんと静まりかえっていた。
 冷蔵庫を開けるとカステラがあった。
 それを食ってから迷わず布団に飛び込んだ。
 そして早朝3時半に目覚め、冒頭の叙述となるのである。