この時期の稽古は迷いと決断を何度も繰り返すしんどいものになることが多いのだ。
俺の場合だけかもしれんが。
とにかく一人になった瞬間やばいのだ。
気を抜くとすぐに黒いもやもやが体中を包み込んでいる。
昼間、なにかしている時は大丈夫なのだ。
夜、寝る前にだらだらしている時が危ない。
気がつくと、布団を敷くことなく明け方までだらだらしている。
自分をそういう方向に一旦持っていくと、際限なき地獄巡りが始まってしまうので、昼のうちにことさら大げさにおのれを鼓舞する。
例えば絶好調の阪神タイガースに思いを託して、血をたぎらせたり。
稽古前にそうやって色々なことをやっているのだ。
和泉さんとつるまみの稽古をした。
つるまみはともかく和泉さんの演技は1回しか見たことがないので、それ以外の持ち札を探ってみようとスケベ心を持ったというわけ。
だが一回やそこらの稽古で見極められるほど人間が単純なわけはない。
よって、稽古にかこつけて場に慣れてもらったというのが正しかろう。
山本君にも慣れてもらう目的の稽古をした。
台本片手に動きをつけるのは、今週末あたりからになるだろう。
一方でこちらも初参加の阿部さんだが、最近では大分慣れてきたようだ。
こういう時期にアドバイスを沢山すると大いに混乱するので、最重要事項以外は言わないようにしている。
今のところ2本立てのうちどちらも形がまったく見えない。
どろどろのマグマ状態だ。
が、色だけは何となく決まってきた。
前回エチュードを多用して作った「夏の子プロ」は全編書き直してテキスト勝負。
そして前回テキスト勝負だった「粗忽重ね」はエチュードを導入する。
この方向でいくだろう。
あとは、水をなんとかしないと。