エミュレーターにもかかるウイルス

 目覚めは悪かったが機械的に着替えをし、夢遊病者の如く駅に向かって歩いた。
 日常をこなすことにいちいち感情センサーを動かしてはいられない状況だ。
 何しろ明後日には仕込み。
 その次の日は本番なのだ。

 こういう日に仕事をするのは、急いでいる時の快速通過待ちみたいな気分に似ている。

 仕事後、雨の中南中野へ。
 いつも利用していたファミリーマートがつぶれていた。

 照明の宮崎さんと木村さん、写真の浅香ダイナマイトが見学に来た。
 「夏の子」「粗忽」の両方を通す。
 予定よりも短くなったが、音や照明が入ったり装置が立て込まれたりすることで変わるだろう。
 芝居自体は「夏の子」と「粗忽」はカラーが見事に異なるので、「二本立て」の面目は保てるはず。
 別に面目ではないのだけれども。

 稽古後、ジョナサンで制作の打ち合わせ。
 予算関係の話し合いで侃々諤々。
 塚本、望月、松本という3人が雁首をそろえて「金どうする?」という台詞を言い合うのは、理屈抜きのリアリティがある。
 なんてことを横に座っていた浅香は思っていたのかどうか。

 帰りの電車にて浅香とパソコン話。
 マック上で動くウィンドウズのエミュレーターでも、ウイルスに感染するという。
 エミュレーター冥利に尽きるが、迷惑な話でもある。
 「それでさ、2件だけ登録していたアドレス帳にウイルスメールを送信しちゃってさ。うち1件はメーリングリストだったんだよね」

 帰宅後、音響の編集。
 今回は今までとは違うスタンスで選曲をしてみた。
 まろやかで、夜に通ずるという条件。