子猫は笑える

 望月が来月、イルカ団の公演に出演する。
 詳しい情報がまだよくわからないのだが、最近のイルカ団の傾向から考えて、まったりとした日常に何か一つの事件が起こるみたいな話になるのではないだろうか。

 夕方、南中野にて稽古、のはずだったが、台本役者共にそろわず、制作話し合いを行うことになった。

 まだ台本の形で1ページも書いていないので、プロットを伝えながらキャスティングについて議論する。
 主人公となる姉妹をどのように演出していくかがポイントとなるのだが、姉のイメージを説明すると望月が言った。
 「いい女だなあ」

 しかしきっと男から見ての「いい女」なのだろう。
 女から見ても「いい女」という要素を加えると、バランスは良くなるが個性は薄くなる。
 どちらかの性を圧倒的に惹きつけるキャラクターの方が芝居に向いていると思った。

 9時に話し合いを終えてから、青葉台のモチメ宅に行く。
 子猫を2匹もらい受けたというので見せてもらうことにしたわけだ。

 家にお邪魔すると体長20センチくらいある毛の固まりがもこもこうごめいていた。
 いきなり力が抜けてしまった。
 小さいが生後1ヶ月と少し経っているので部屋中を駆け回ることができる。
 座椅子の裏がけもの道になっているのは笑った。