1ページも書いてないのにタイトル決め

 タイトルを決めなくてはいけないのだ。
 「とにかくすぐ決めてくれ」
 と、敏腕Pから矢の催促だ。

 それじゃこれこれこういうタイトルでいきましょうなどと簡単に決められないのがタイトルの難しさで、ストーリーを考えるより難しい。
 ストーリーは軌道修正ができるがタイトルはできない。
 いくらいい球でもストライクにならなければ押し出しで逆転負け。
 場合によってはファーム落ち、悪くすれば戦力外通告。

 というわけで今日はタイトルのことばかり考えて一日を過ごした。
 夕方うちに帰ってからは筒井康隆の日記をぱらぱらめくり、何か創作に関するヒントが書かれていないかと探したりしてみた。
 それでも案は浮かばず。

 こういう風に考えすぎている現状はあまり良くない。
 タイトルなんて意識せずにいつの間にかついているくらいの方がいいのだ。

 仕方ないので台本そのものを書くことにした。
 ストーリーを進めていけばタイトルにまつわる言霊が降りてくるかもしれないからだ。

 夜、また雨が降っていた。
 梅雨が近いということだろう。