太陽と俺のやる気

 夕方、南中野。
 気がつけば7月になっているという驚きは、晴れた空を拝んでいないために半減されている。
 例えば去年なら日射病になりかけたのが7月1日だったし、一昨年も似たようなもんだった。
 その前その前さらにその前と記憶をたどっても、今年みたいに冴えない7月1日はあまりなかったのではないか。

 しかし外に出歩くと先週半ばほどの涼しさは既になく、シャツが肌に張り付いてくるような蒸し暑さが、雲のフィルターの向こうにある太陽のやる気を感じさせてくれた。
 やはり今は7月なのだ。

 稽古場に着くと結構汗をかいていた。
 マラソン帰りの阿部さんと会う。彼女も汗だく。
 「今日は暑いね」
 「そうですね」

 「ブラジルが優勝しましたね」
 「そうですね」
 「今日から7月ですね」
 「そうですね」

 通し稽古をする。
 なんとまあ、ハイペースなことだ。
 本番1週間前には絶対通しをするというのは、マグネシウムリボンの通例となっている。
 たとえ台本がすべて書き終わってなくても、だ。
 だからそれが出来ないということを考えると恐ろしくなる。
 相当焦るのではないか?

 今回は内容に比してキャストが少ないため、シーンを散らす工夫を施している。
 そのため、静かな芝居になりがちなのだ。
 初通しをして、そのことがよくわかった。
 空間VS人間。

 ラストの台詞だけまだ決めていないのだ。
 ページにして1ページほどだろうが、きわめて重要な台詞になるだろうから、慎重に慎重を期しているというわけ。
 通しを見ながらそのことも考える。

 初めての通しにしては破綻はなかったが、破綻しようがないつくりともいえるので、やはりまだまだ。
 一言一言に魂が不足している感じ。
 さて、明日だ。

 夜11時帰宅。
 なぜか、酔いつぶれるまで酒を飲む。