目がさめたら自分がでかい舞台装置になっていることに気がついた

 嬉しがらせるニュースが二つ。

 まず一つ目は、「亜麻色の髪の乙女」のヒットで知られるヴィレッジシンガーズの清水道夫をかたった男が逮捕されたニュース。
 どこかの町でカラオケ大会の審査員をやり、自分でも歌っていた。
 歌がうまく、結構似ていたのが笑えた。

 二つ目は長嶋監督。
 もう監督ではないが、監督と言ってしっくりくるのは人徳かオーラか。
 長島邸に不審な男が侵入したというニュース。
 お手伝いさんに刃物を突きつけて、
 「三奈さんと一緒に写真を撮らせろ! 会わせろ!」
 だと。
 娘じゃねえか。
 嬉しがらせるねえ。
 お手伝いさんも機転の利いた人で、「旦那さんならいますよ。写真撮れますよ」
 と返したらしい。
 さらに当の監督は、
 「ファンが写真を撮りに来た、とドアをノックしたんです。ハーフパンツ姿だったので、着替えて下に行くともういなくなっていました」
 だと。
 この無意識さはどうだ。
 もう、長島さんに関して、一切論じちゃいけないと思った。
 論じゃ絶対勝てない。

 中華の日々が続いていたが、今朝昨日の残りを食った時点でとりあえずストップ。
 少し冷静にならないと、中華鍋を買ってしまう。

 マグネシウムリボンの次回公演について考える。
 とりあえず我々の利点は一つだ。
 「失うものが何一つない」

 別に韜晦するわけではないが、本当に失うものがないのだから、守るべきものもないのだ。
 だったら企画的にも攻めていった方がいいのではないだろうか。

 現段階では、なんと、一週間で3本を一気に上演することを検討している。
 再演作と、既成の本(スタンダードの、塚本作ではないやつ)、それから新作だ。
 もの凄く大変だろうが、出来たら面白いと思う。

 が、モチメ曰く、「一回で3本見られるならいいけど、何回かに分けて行くのはめんどくさい」
 そりゃそうだ。

 新作はどういうものになるのは、今のところ全く未定。
 健ちゃんと話した時に出たアイディアはこんな感じ。

 タイトル 「つり入門 海づり編」
 内容 海づりをテーマにして、行政と環境問題、手の内にある(魚の)命、食材としての魚、船酔い論、酔い論を展開する。

 この芝居の利点は、シリーズ化が容易なことだ。
 パート2は、「つり入門 川づり編」
 パート3は、「つり入門 ヘラブナ編」
 延々とできる。

 既成の本を上演する案に関しては、旗揚げ当時にダイナマイト所持者のアサカから言われていた。
 「あの作品をやるんだ、へえー、みたいな劇団のあり方がいいよ」

 さて、何を選んだものか。

 戯曲にとらわれず、小説を選ぶという手がある。
 カフカとか。

 「変身」を翻案してみるとか。

 ある朝グレゴール・ザムザが、何か気がかりな夢から醒めると、彼は…
 でかい舞台装置になっていた、とか。

 「たのむから俺をばらさないでくれよ」
 「ねえ、この芝居、いつまで?」
 「釘打ちすぎだよ」

 やりにくいったらない。