カート・ヴォネガット巡礼

 明け方、例によって朝焼けを見た。
 小金井ではなく実家の西葛西だったので趣が大分違った。
 ついでに散歩などしてみた。

 猫が道路の真ん中で堂々と座っていた。
 朝の5時だったから車の数は少ない。
 もちろん通行人の数も。
 ふとまわりを見ると、あっちこっちで猫が寝そべっていて、町は猫天国と化していた。
 一匹、エアコンの室外機の上で寝ているのがいた。
 暑いだろうそれじゃ。

 朝飯にアジを食う。
 母親が焼いて出してくれた干物であるが、賞味期限が3日前だったことを昨日の冷蔵庫チェックで知っているのであまりいい気はしなかったが、これも親孝行と黙って食べた。
 ちなみに昼は冷やし中華。

 後は夕方まで本を読みながら過ごした。

 カート・ヴォネガットの作品を読み直している。
 昨日の夜、「タイタンの妖女」を読んだ。
 運命に翻弄されるということを神に近い視点で分析しているような話だ。
 もっともキリスト教的な「神」というわけではないが。
 無神論者がさす「神」的なもの、といえば近いかもしれない。
 ラストが泣かせる。

 次に田山幸憲さんの「パチプロけものみち」を読んだ。
 田山さんといえばパチンコをする人間で知らぬものはいないといわれたパチプロだ。
 雑誌「パチンコ必勝ガイド」で10年以上もパチプロ日記を連載していたが、昨年の7月に鬼籍の人となってしまった。
 田山さんの一生を思うと、人生というものについて考えさせられる。
 学生運動盛んな頃の東大に合格したものの目的が見いだせずドロップアウト。
 パチンコで日銭を稼ぐうちにいつしかパチプロという人種になり、開店から夕方までパチンコをしては帰りに酒を飲むという日々を30年。
 にもかかわらず、田山さんの生き方に憧れてしまう男達のなんと多かったことか。
 ホームレス願望や蒸発願望の謎を解く鍵が、田山さんの日記にはある。

 夕方6時から中野で制作の話し合い。
 主に演目と公演企画の話をする。
 3時間半も激論を戦わせていたら、望月と健ちゃんの吸うタバコの煙にやられて頭がくらくらした。
 そうだ。タバコをやめてもう一年経つのだ。
 タバコを吸っていた期間が人生の二十分の一になる予定なのだ。
 昨年まで10年間吸っていたワケだから、計算すると、
 200歳で死ねば丁度そうなる。
 オッケー。今のところ予定通り。