バイトいろいろ

 ホットカーペットを弱のままつけっぱなしにしてその上に布団を敷いて寝ていたためか、夜中に寝汗のため2回も起きなければならなかった。
 おかげで軽い運動をした後みたいな気分で目覚めることが出来たが、速やかに水分補給をしなかった。
 それから朝ご飯をスニッカーズで代用するという有様だったので、午後にはすっかりエネルギー切れを来してしまった。
 水とエネルギーは切らしてはいけない。

 色川武大「うらおもて人生録」読む。
 若い読者向けの人生論と言えばいいのかもしれないが、文章の隅々に「無頼」の味わいが染み渡っている。
 この味わいに魅せられるのは、男性読者が殆どだろう。

 色川さんの本を読んでいたら、ギャンブルのことを色々思い出した。
 自分にとってギャンブルとは、パチンコのことをさす。
 19歳の頃からはじめ、以来十年以上打ち続けてきた。
 
 十年以上も打てば大勝ちすることもあるし、その逆もある。
 ツキまくっている時もあれば、その逆もある。
 結局、そうした波を読み続けることに疲れてしまったのかもしれない。

 夕方6時から、田端で稽古。
 ビルの4階にある和室。

 宇原君にギャンブルの話を聞いてみたら、彼もパチンコをよく打っていたとのこと。
 「綱取物語とか、フィーバークイーンとかやりましたねえ。あと、CR名画とか好きでしたねえ」
 どんなに二日酔いが苦しくても、開店に並んでいたそうだ。
 その気持ちがとてもよくわかった。

 3場を作りながら、宇原君の役を違うアプローチで探る。
 「虻一万匹」は歯医者が舞台になっている。
 当然虫歯の話が出てくるのだが、宇原君はあまり虫歯で苦しんだ過去はないそうだ。
 「親知らずで苦しんだのはありますよ」
 右の上下の親知らずを両方抜いた時は、寝ている時に痛みで目を覚ましたらしい。
 すぐに痛み止めを飲んだものの、薬が聴くまでの30分間は地獄の苦しみを味わったとのこと。
 「当時、1階に住んでて下の階に気を使うことなかったんで、もう、床をがんがん殴り続けてましたね」

 歯の痛みはあまり身近ではないが、偏頭痛と肩こりはたまに悩まされるらしい。
 そういう時は人と会わないし、喋らないとのことだ。

 山ちゃんと堀内君が時計の修理に行くシーンを稽古した。
 「ずっと昼休みが続く、という言葉が出た瞬間、場がファンタジーになってしまうんだよ」
 と、口では説明するが、だからどうしたってなもんでもある。
 実際にやってみるのが一番なので、台詞を変え、色々やってもらう。
 堀内君のキャラに助けられ、山ちゃんが生身の女性さを出してきたので、これから先を色々工夫しなくては。
 もっといいアピールの仕方が出来るかもしれない。

 全員が揃うとついつい稽古をぶっ続けにしてしまい、休憩時間が取れなくなる。
 休憩を忘れるのは、非常によろしくない。
 コンディション維持に関して冷静さを失っているということになるからだ。
 第一、脳内のブドウ糖が少なくなった状態で演出したりするのは、効率上問題が大ありのはずだ。
 明日からきちんと休むようにしよう。

 帰り道、山口君、堀内君とバイトの話。
 二人とも牛丼屋でバイトをしていたのだ。
 「研修時給のまま働かされるんですよ」
 と、堀内君は嘆く。
 それを受けて山口君は続ける。
 「店長、馬鹿な奴多いっすから。でもたまにすごい人はいますけどね」
 「どういう風にすごいの?」
 「何もかも早いんですよ。牛丼作って、接客もするんです。焼き物なんか、めちゃめちゃレアです」
 
 10時40分帰宅。
 シャワーを浴び、洗濯をし、台所の洗い物を済ませる。
 こういうことはなるべくきちんとやっておかないと、日常から気分が追いつめられていく。
 特に洗い物。
 ためないようにしておかないと、うちに帰ってきた時の疲労が倍加しかねない。
 稽古が始まった以上、日常は戦場だ。
 何もかもがハードボイルドだ。