サンドイッチの好み

 デジカメが届いた。
 ペンタックスのOptioS4iだ。

 ペンタックスには思い入れがある。
 子供の頃初めて買った一眼レフカメラが、ペンタックスのMEスーパーだったのだ。

 男の子にとって、カメラという機械は特別な意味を持つ。
 それは、目に見えるものを写真という枠に収めるだけの機械ではない。
 無限大分の一という時間をフィルムに封じ込める銃器なのだ。

 自分が体験している時間を、自分の手で形あるものに封じ込める。
 これは実に愉快なことだ。
 決定的瞬間でなくてもいい。
 どんなに下らない写真であろうと、それを撮るプロセスが愉快であればいい。
 素人は、それでいいのだ。

 夕方、久々にサンドイッチを作って食べる。
 具は、ハムとレタス。
 パンには薄くバターを塗る。

 好みの問題かもしれないが、サンドイッチにハムをはさむなら、チーズよりバターの方がいい。
 レタスをはさむならなおのことだ。

 しかし、ハムにトマトやオニオンスライスが加わるとなれば、俄然チーズの方が良くなる。
 レタスではなくきゅうりを使う時も、チーズの方が合うと思う。

 SPAMをはさむ時はレタスなどの野菜と目玉焼きも一緒にはさまないとなにか物足りない。
 そしてバターやチーズを使わず、トマトケチャップで食べたいところだ。
 ツナには当然マヨネーズだが、わさびマヨネーズにすると意外と美味い。
 ただし、ツナに刻んだたまねぎを混ぜる時は、マヨネーズだけの方がいい。

 意外なところでは、サーモン。
 味噌マヨネーズでたまねぎといっしょに蒸し焼きにしたものをはさむと、これが美味い。
 「味噌とマヨネーズって、意外と合うのよ」
 昔泊まったことのあるペンションで、経営者の老婦人に言われたことがある。
 とにかく、サーモンにはコイツが合う。
 他の食べ物に合うのかどうかはわからないけど。

 焼肉をはさむ時は、塩コショウのみの味付けが一番だ。
 パンには何も塗らない。
 出来れば耳も切らず、その場でパンを二つ折りにして肉をはさんでかぶりつくのが一番美味い。
 ただし、千切りにしたキャベツと、水にさらしたオニオンスライスも一緒にはさむ場合は、ケチャップとマヨネーズを混ぜたものや、タコスソースをかけて食べた方が美味い。

 こんなにサンドイッチのことを考えたのは初めてだ。
 気持ちを鎮めるために、不味いサンドイッチのことでも考えよう。

 ジャムとマーガリンのサンドイッチ。
 あれはダメだ。
 コッペパンに塗って食うものだ。

 ベーコンだけのサンドイッチ。
 これは、好みじゃない。
 卵か野菜も一緒でないと、油脂がべたべたしてよろしくない。

 甘い卵サンドイッチ。
 これは単に嫌い。

 ローストビーフを分厚く切ってはさんだサンドイッチ。
 薄く切ったローストビーフを何枚もはさめば極上なのに、分厚く切ると最悪になってしまう。
 なんでも分厚く切ることを身上とする母が、4枚切りのパンを2枚使ってサンドイッチを作る時にしがちの悪行だ。

 ミートボールのサンドイッチ。
 これは昔やったことがある。
 8枚切りのパン1枚に、ミートボールを4個くらいのせる。
 もう一枚のパンをかぶせ、まな板の上でそろえて、耳を切る。
 ところがパンの真ん中辺に、まるいボコボコが四箇所できてしまった。
 蛙の卵嚢みたいで、実に気持ち悪かった。