ジンラミー、前田日明復活

 猫と夕陽。
  050124

 ひと月も体を動かしていない。
 昨年末に膝を痛めて以来、無理はしないようにしてきた結果だ。
 膝の具合はもう大丈夫だと思うのだが、今の季節、夜になると相当寒い。
 体を暖めるのに時間がかかるし、その過程でまた膝を痛めそうで、それで走れずにいる。

 だからというわけではないが、歩く機会があったらなるべく歩くようにしている。
 信濃町から千駄ケ谷まで歩いたり。
 武蔵小金井ではなく東小金井で降りてうちに帰ったりなど。

 30分も歩けば相当寒い日でもそれなりに体が暖まる。
 有酸素運動をした証拠だ。

 さて、カードゲームだが、インターネットでルールを紹介しているサイトを色々見て、時間をかけてゆっくり解読することで、気になるゲームのルールを覚えている。

 ジンラミーは3年前くらいにパソコンゲームで覚え、機会があるとよくやった。
 これは二人用のゲームで、まず互いに10枚ずつカードを配る。
 ゲームの目的は、持ち札の点数を10点以下にして、相手より早く上がること。
 同じ数字が3枚以上、もしくは同じスート(ハートとかスペードとか)の続き番号が3枚以上そろえば、それは役になり、点数から除外される。
 JからKまでは10点、Aから9はその数字を点数とする。

 10枚配り終わったら残りのカードはふせて山札とし、そこから一枚めくって場に出す。
 先にやる方は、そのカードが欲しければそれをもらい、いらなければパスする。
 先にやる方がパスしたら、次にやる方もそのカードが欲しければそれをもらい、いらなければパス。
 1回目だけ、それをやる。

 次からは、場に出ているカードがいらなければ、ふせたカードから1枚もらう。
 そしていらないカードを捨てる。
 捨てる札は前の札に重ねる。
 相手の番になる。
 捨てられたカードが欲しければそれをもらい、いらなければふせたカードから1枚もらう。
 いらないカードを捨てる。
 相手の番。
 捨てられたカードが欲しければそれをもらい、いらなければ…

 この繰り返し。
 自分の持ち札に早いとこ、同じ数字を3枚以上か、続き番号を3枚以上作ればいい。

 3つ以上そろった役がいくつか出来て、余りカードの合計点数が10点以下になったら、札を捨てる時に「ノック」と言って上がることが出来る。
 たとえば 666 ハートの234 スペードの234 そして余りの1枚がハートの2 だった場合、その人の点数は2点だ。
 あがられた相手は、その時点で持っている点数を計算する。
 KKK 88 55 クローバーのJQ ハートのJ だった場合、3つ以上そろっているのは KKK だけだから、それ以外は全部その人の点数になる。
 8 8 5 5 J Q J 合計点数は56点。(絵札は全部10点)
 上がった方は2点だから、それを差し引いて、56-2=54点が、勝った方の点数になる。
 点数計算が終わったら、またカードを切って10枚ずつ配り、ゲームを繰り返す。
 先に、100点に到達した方が勝ちだ。

 3つ以上なら何枚そろっても良い。
 たとえば、ハートの3456789 とかでも良い。
 要は、そろってない余りカードの点数を減らせればいいのだ。
 もしも、すべてのカードがそろってしまい、余りがゼロになったら?
 その場合は、上がる時に「ジン」と言う。
 ジンで上がった場合は、上がられた方の残った持ち点に加え、ボーナス点が25点つく。
 
 上がられた方は、余ったカードが相手の点数になってしまうわけだが、そいつを減らすチャンスがある。
 点数計算の時、相手のそろったカードに自分の余りカードを付け足せるのだ。
 たとえば、上がった方が 666 ハートの345 スペードの789 余りカードが10だったとする。
 上がられた方の余りカードが、6 ハートの2 スペードの10だった場合、それを相手のそろったカードにつけ足し、持ち点から除外できる。

 場合によっては、上がった方よりも持ち点が低くなる。
 その場合、上がられた側の逆転勝ちとなる。
 しかも、ボーナス点が25点つく。

 初心者プレイヤーの駆け引きとしては、負けた時に高い点数になってしまう絵札を早めに捨てていくというやり方がある。
 ただ、最初に配られたカードが絵札ばかりだったら、相手が絵札を捨てるのを見越してあえてそういうのを集める手もある。
 徹底的にを狙っていくのもいいし、最初に配られたカードがとても良かったら、早期決着の狙いもいい。
 自分が捨てた札を相手が取るのを見て、相手の狙っているカードを予想したりするのも楽しい。

 持ち札はトータルで10枚あるから、を狙う場合どれか一つ4枚そろった役を作らなくてはならない。
 3333 とか、4567 とか。
 そうすれば、あとは3つそろいの役を二つ作ればいい。

 そろいすぎるとかえってジンで上がれなくなる。
 たとえば、クローバーの45 と 78 を持っていたとする。
 相手が6を捨てたので、それをもらう。
 すると、45678 と5枚の役になってしまう。
 残った5枚で3枚そろえたら、余りカードが2枚になってしまう。
 これはしんどい。

 ただ、持ち札に8が他に2枚あったら、それを使って、
 4567 という役と 888という役に分けてもいい。
 要は、3枚以上であればどんな組み合わせでもいいのだ
 3枚3枚4枚とか、4枚6枚とか、5枚5枚とかでもいいのだ。
 なんなら10枚そろえたっていい。そろえられるものなら。
 でもまあ、一番そろえやすいのは3枚3枚4枚だろう。
 そろい方が問題なのではなくて、そろった時の相手の余りが問題なのだから、いかに早く上がるかを心がけるのが基本だろう。

 ヤマを張りすぎると2枚そろいばかり集まって大敗するし、ノックで6回連勝したのにたった1回のジンで逆転負けをすることもある。
 やってみるとなかなか奥の深いゲームだ。

 ウディ・アレンの戯曲「死神のノック」に、このゲームのことが載っている。
 ある会社重役のところへある夜死神がやってくる。
 「私は死にたくないんだが」
 彼は言うが、死神は、
 「頼むからゴネないでくれ」
 と取り合わない。
 「せめて(このボクに)プレッツェルでも勧めたら?」
 「階下にM&Mのチョコレートがあるよ」
 「M&Mねえ。もしも大統領が来たらどうする。大統領にもM&Mか?」
 などのやりとりをするうちに、死神がジンラミーに自信があるということがわかり、プレイすることになる。
 ところが死神はからきし下手くそで、有り金をすべて巻き上げられてしまう。

 大体こんな話。

 最近興味があるカードゲームは、エカルテというやつだ。
 とはいえ、まだルールを勉強している段階で、どう遊ぶのか説明できない。
 フリーのゲームソフトがあったので、それをやることでまずは慣れてみたいと思っている。

 夕方、中野のドンキホーテで買い物。
 商品券を持っていたので、それで食材を買おうと思ったのだ。
 ところがここのドンキホーテは品揃えがぱっとしない。
 アルコール類も扱っていないし、食材は99円ショップに劣るし、しかもそれほど安くない。
 それでも、混雑している新宿歌舞伎町店に行くよりはマシだと思った。

 なんだかんだで1200円分ほど購入。
 7時半帰宅。
 マーボー春雨、こんにゃくの煮物、キムチ、ジャガイモとワカメとオクラの味噌汁を食べる。
 食べ終わると急に眠くなり、1時間と少し寝る。

 前田日明がプロレス界に復帰するという。
 もちろん選手としてではなく、スカウトや選手育成を担当するらしいが。
 そのことで昨夜から2ちゃんねるなどのプロレス板は盛り上がっている。

 前田日明ほど毀誉褒貶の波が激しいレスラーは少ない。
 新日本プロレス時代、ニールセンとの異種格闘技戦を制した時は、一躍格闘技界のスターに踊り出た。
 しかし翌年、長州力に対する顔面蹴り事件で解雇されると、プロレス界は前田バッシングに傾いた。
 ところがさらに翌年、新生UWFを旗揚げすると、今度はプロレス界だけでなく世間をも巻き込んだ大ブームを引き起こし、時代の寵児となる。
 人気としては、その頃が全盛期だ。

 1990年にUWFが消滅してからは、反動と言うべきか、前田に好意的な記事はガクンと減り、その状態は1994年くらいまで続く。
 1996年に膝の手術で数ヶ月リングを遠ざかってからは、ファンの間になんとなく前田を待ち望む空気が出来上がり、1997年の?田対ヒクソン戦では、オーロラビジョンに前田の姿が映った時、観客がをするに及んだ。
 1998年にはリングスでの引退試合を済ませ、1999年にはレスリング無差別級史上最強の男、アレクサンダー・カレリンとの引退試合をし、最高と言える形で現役生活を締めくくった。
 現役引退後しばらく、その勢いは続いていた。

 1999年の11月に、安生洋二に背後から殴打されるという事件が起こり、これをきっかけに前田に逆風が吹きはじめる。
 トラブルや裁判が続き、2002年にはついに自分の団体であるリングスが解散してしまった。
 かつての盛名はすっかり失われたかに思われた。

 ところが、昨年くらいから前田日明待望の空気がプロレス界を中心に広まりだした。
 2ちゃんねるのスレッドも伸び、
 「なんだかんだいっても前田がいないとつまらない」
 という空気が当たり前のように形成されてきた。
 リングスが解散してから3年、ほとんど表に出てこなかったというのに、こういうレスラーは珍しいんじゃないか。

 前田日明は、良く言えば純粋で、悪く言えば単純な人だと思う。
 後輩の面倒見がいいのは有名だが、しごきがすさまじいのも伝説的。
 新日本プロレスに入門当時、諸先輩たちによるいたずらの格好の餌食となったのも、相手の言うことをころっと信じてしまう人の良さがあるからだろう。

 入門して間もなくある先輩レスラーに、
 「レスラーは腰を強くしなきゃいけないんだ。だから新人は必ず、先輩に抱かれなきゃいけないんだぞ」
 と言われて大いに悩んだという。
 その相手として、荒川真(ドン荒川)と藤原嘉明のどちらかを選べと言われ、
 「じゃあ…藤原さんで…」
 と答えたというのは、ファンの間では有名な話だ。
 念の入ったことに、藤原は食事時になると前田にウインクをしたり、前田が部屋に入ってくるのを見越してわざと荒川と抱き合ったりして、いたずらを楽しんだらしい。

 他にも、合宿所にアメリカ兵の幽霊が出ると言う話を前田に聞かせ、散々怖がらせておいた後、当時新日本プロレスの若手レスラーだったハーフのジョージ高野に軍服を着せ、前田の枕元に立たせたりしたらしい。
 幽霊に悩んだ前田は、
 「怖いので、一緒に寝てください」
 と、あろうことかいたずらの総本山である荒川真に相談した。
 「わかった」
 と言いながらも大喜びの荒川は、わざわざ手間暇かけてリモコンの人だまを作り、真夜中に飛ばせて脅かしたらしい。

 リング外でのこうしたの豊富さが、表に出てこない前田日明への幻想を膨らませたともいえる。
 すなわち、
 ・怒ると手がつけられないが、陰湿ないじめはせず、情には厚い(?田延彦、宮戸優光)
 ・人がいいので、一度信じた人は騙されていることに気づかず、延々騙されてしまう(田中正悟、猪木、新間寿)
 ・騙されていることに気づくと、手がつけられないほど怒る
 ・先輩には敬語だが、怒ると先輩にも本気で蹴りを入れる(猪木、長州)
 ・ただし、本気で自分に蹴りを入れてくる後輩は、逆上して叩き潰す(田村)
 ・飲みの席で弟子と頭突きごっこをするのが好きだが、皆が頭突きをしてくれないと寂しがる(長井、高阪)
 ・相手が素人でも、本気で怒り、女子トイレに連れ込んで説教する(格闘技雑誌の編集長)
 ・ゼロ戦好き
 ・日本刀好き
 ・葉巻好き
 ・巨乳好き

 今回の前田復活は、確かにうれしいが、ファンが勝手に膨らませた前田像とは違ったとしても、批判をしてはいけないと思う。
 長い長いめで見守るのが、前田ファンの使命だ。

 かつて、あるプロレス雑誌でのインタビューより。
 前田 「(趣味の多彩さと知識の豊富さをほめられ)ああ、ワタシは自分がコワイ」
 記者 「そりゃ、前田さんは恐いですよ」