二子山親方死す

 昨夜は2時くらいに寝た。
 6時間眠り、8時過ぎに起きた。
 十分眠ったはずだ。それなのに、
 恐ろしいほど眠かった。

 とにかくあまりの眠さに、午前中は何をしたのか全く覚えていない。
 朝はなにを食べたのか、雨はいつやんだのか。
 わからぬまま午後まで、ただひたすら「眠い」とだけ考えて過ごした。

 強烈な眠気は昼過ぎにようやく去った。
 雨はやみ、雲間から太陽が顔を出した。
 風はそこそこ心地よく、まだ梅雨のじめじめした空気じゃなかった。

 眠い眠いと思いながら、眠ることができない状態は、おそらく精神と肉体に過度の負担を強いるのだろう。
 夕方になると、ぐったりと疲れた自分がいた。
 まるで精気を吸い取られたような気分だった。

 夜、キムチと納豆を食べる。
 なんとなく、こういうものが食べたかった。
 疲労と関係あるのだろうか。

 『圧力の卯月』のビデオをPCに取り込む。
 元の映像の画質が非常に悪い。
 7年前のだから仕方ない。
 キャプチャー作業の合間に、珍しくテレビをつけていたら、MX
テレビで阪神とソフトバンクの試合をやっていた。
 ソフトバンクの杉内が阪神打線を完璧に抑えていた。
 パリーグはロッテが相変わらず強いが、2位のソフトバンクも順当な強さを見せている。
 リーグ全体の順位をつけたら、現在のところこの2チームが1位と2位だろう。
 5月から始まったセパ交流戦は大変面白いのだが、戦いがひと月以上続くと新鮮さが失われてくる。
 1リーグ制移行の名残ではないかと思えてしまう。
 日本シリーズの価値が下がりはしないか心配だ。

 二子山親方が亡くなった。
 命が吸い取られるようにあっけなく亡くなってしまった印象がある。
 まだ五十代だから、夭逝といえるだろう。
 藤島親方を名乗っていた時代、レオナルド熊とビールのCMに出て、朴訥としたいい味を出していたのが思い出される。
 正直なところ、これまで二子山親方のことなどほとんど考えたことがなかった。
 にもかかわらず、その死は意外なほど重くのしかかってくる。
 なぜだろう?
 まるで親方の死が、普段死のことをほとんど意識したことのない人に、その意味するところをあらためて思い出させるためにあったかのようだ。
 確かに、久しぶりに考えてしまった。