そろそろ

 朝起きると、頭がガンガン痛んだ。
 熱を測ると38度2分あった。
 数字を見てめまいがしたので、仕事を休んで横になる。

 昼、昨日の鍋物で作った雑炊を食べ、また横になる。
 そういえば部屋が乾燥しているような気がする。
 そういう季節かもしれない。

 『ねじまき鳥クロニクル』を本棚から引っ張り出す。
 毎年秋になると読んでいる。
 2000年から毎年だ。
 だから、秋が深まると自動的に引っ張り出すことになるのだ。
 読みたいという意志より、年中行事の義務感が先んじている。
 ページをめくると止まらなくなる。

 夕方、雑司ヶ谷で稽古。上着がないと夜は寒い。
 晩秋確定。
 照明の尾池さんがきた。
 通し稽古をやる。
 できてこないと出せない駄目出しというのがあり、それがぽつぽつ出始める。
 ノートに箇条書きになっている。
 稽古が終わりに近づくと、演出ノートにはその手のことが増えてくる。
 (そろそろ終わりが近づいているのだな)
 駄目出しをしながら、漠然とそう思う。

 帰路、尾池さんと一緒。
 来年、シアターグリーンで三国志の芝居をやるらしい。
 その話は去年の夏、打ち上げの席で聞いていたのだが、いよいよ本番が近づいているのだと思うと、時間の流れの速さを感じる。