鴨に目覚める

 11時起き。
 トーストを食べ、両国の江戸東京博物館に行く。

 国技館の隣にその建物はある。
 ビックサイトクラスの大きさで、よく見ると全体の形がお社ふうになっている。
 おらが村の博物館、といった感じだ。

 長いエスカレータを上り、6階から入館する。
 江戸ゾーンと東京ゾーンに分かれており、精巧にできた模型が沢山展示されていた。
 実寸大のともあった。
 「寿」という字を書くからくり人形には驚いた。
 その機構の精密さを想像するだけでうなってしまう。

 4時過ぎまで館内をぶらついてから外に出る。
 清澄通りを北に歩き、蔵前橋通りの交差点を右に曲がったところにあるレストランに行く。
 外見は普通の洋風定食屋なのだが、メニューはどれも気合が入っている。
 鴨のローストに、サラダ、スープ、ライス、コーヒー、デザートのセットを頼んだ。

 鴨のローストは中が半生でやわらかかった。
 塩コショウで味付けしてあり、それに粒マスタードをつけて食べるのだが、びっくりするくらいうまかった。
 メニューはほかにも沢山あった。
 牛肉のシャリアピンステーキ、牡蠣料理の数々、パスタやピザ、ハンバーグ、オムライスなど。
 店の外観は洋風定食屋なのに、出てくるメニューはどれも本格的というところが良い。
 シェフの素性が知りたい。どこで修行をした人なのだろう。
 わけあって前の店を追われ、流れ流れて本所下町の片隅にたどり着いたという物語が想像される。

 店を出ると薄暗くなっていた。
 両国駅まで歩く。
 頭の中は鴨のことでいっぱい。
 買い物をして、6時半帰宅。

 『帝王ビル・ゲイツの誕生』下巻読了。
 ウィンドウズ3登場のところで終わっている。

 ウィンドウズ3は、DOSの上で走らせるものである。
 とはいえ、実は一度も動かしたことはない。
 当時はMS-DOSの古いやつでワープロソフトを動かすくらいしかパソコンと接していなかった。
 機種はエプソンの98互換機で、CPUに80286を積んでいた。
 拡張性の低いノートパソコンで、ハードディスクを換装できないという致命的な欠点があった。

 当時の機種はどれもこれもMS-DOSだったから、ハードの性能に関わらず、画面は真っ黒で文字は白。
 動かせるプログラムは一度に一つだけだった。
 そんな時代にウィンドウズ3が登場した。
 しかし、自分のマシンの拡張性に諦めを抱いていたから、ウィンドウズ3の登場もその後の3.1の登場も、まったく興味を持てなかった。
 「どうせオレのじゃ動かねえし」
 そう思っていた。

 しかし、こいつを入れれば、PC98環境でマックみたいなことができるということを、当時の自分が知っていたらどうなっていただろう。
 ものすごくワクワクしたんじゃないかと思う。

 最近、B5ノートパソコンが欲しくて、機種を調べた。
 困ったのは、型番が複雑すぎて、どれがどれやらわからないことだ。
 新機種のニュースを聞いても、昔と比べたらちっともワクワクしない。
 だから機種探しにも熱が入らない。

 今年、新しいウィンドウズが遂に登場するらしいが、現在使っているXPの環境に満足しているから、これもワクワクしない。
 コンピューターは日常に、そして社会にすっかり根付いた。
 そのかわり、価値観がでんぐり返るようなワクワクに出会う可能性は少なくなった。

コメント

  1. keiko2 より:

    腹空く