老いエロ

 昨夜は遅くまで雪が降っていた。
 都内では久しぶりの積雪だったが、週末だったので通勤通学の混乱は避けられたようだ。

 昨日は映画『北斎漫画』を見た。
 西田敏行と緒方拳の老人演技が楽しい。
 老いた北斎が、すっ裸のお直にタコを這わせる有名なシーンがある。
 お直を演じる樋口可南子がタコとまぐわいながら悶え、じじいになった北斎がそれを描く。
 樋口可南子の体当たりの演技と当時は騒がれたのだろうが、今見るとどこかしら間抜けで大らかに見える。
 むしろこの大らかさこそ、監督・新藤兼人の描きたいものではなかっただろうか?
 そういえば当時の新藤監督も、すでに還暦を過ぎていた。
 枯れた年齢になったればこそ、性に呑まれることなく、それを表現に結実できるのかもしれない。

 『鬼平犯科帳』1巻読了。
 南荻窪図書館にあったもので、よほど沢山の人に読まれたのか、角が擦り切れて丸くなっていた。
 続けて2巻の途中まで読む。
 面白いが、魂を捕まれ、茫然自失となるほどではない。

 そういえば時代小説でそうした作品に出会ったことがない。
 まだ一定量の作品を読んでいないため、感動を発症できないのかもしれない。
 花粉症みたいだ。

 夕方、大相撲千秋楽を見る。
 栃東と朝青龍。
 朝青龍は右腕を怪我していて、上手がとれずに敗退。
 栃東が14勝1敗で見事に優勝を決めた。

 夜、昨日に続き福龍飯店へ。
 酢豚のセットを食べる。
 甘酢のたれが酸っぱすぎず甘すぎず、まことにうまかった。