書くために読む量

 空腹で起きた。
 昨日作ったカレーを食べる。
 外は雨。
 連休最後の日は、どいつもこいつも家にいろというわけか。

 この連休中は本ばかりざっくざっく読んでいたせいで、頭の中は消化し切れていない活字が、大当たり中のパチンコ玉みたいにあふれかえっている。

 新しい台本を書く時に、人はどのくらい本を読むのだろう。
 読み方にもよるなあ、と思う。
 きちんとした資料として読む場合は、一冊一冊を真剣に読んでいくし、気になったページにポストイットを貼り付けたりするから、沢山は読めない。
 しかし、メロドラマ風の話を書く前に頭の中をメロドラマで一杯にしておきたいという時は、ひたすら読むだけなので、数十冊に及ぶこともある。

 今回は、というよりいつもそうだが、大体後者のやり方をとっている。
 一つの本からあまりにも沢山引き出そうとすると、芝居の内容が<その本そのもの>になってしまう時がある。

 本を探している時に時々神の手が働くこともある。
 稽古場に行く途中たまたま立ち寄った古本屋でたまたま役に立つ本を見つけたりなど。
 4年前『ハコブネ』という芝居の稽古をしている時に、たまたま井上靖の『四角な船』の文庫本を見つけた時は嬉しかった。
 あれは随分、栄養になった。

 今日も昨日と同じく小雨が降っている。
 カレーもなくなり、夕方は地味にパンと目玉焼きを食べた。
 冷蔵庫にあったレタスとトマトを細かく刻み、中華スープにして食べた。

 夜、うつらうつらしていたら、中山君が来た。
 稽古場を取らなくてはならず、移動手段のバイクを借りたのだ。
 駐輪場で簡単な操作方法を教わった。

 部屋に戻り、昔使っていたヘルメットを出す。
 捨てないで取っておいて良かった。

 夜中にラーメンが食べたくなって困った。
 きっとストレスがたまっているのだ。
 中山君から借りたバイクに乗れば、朝までやってる店に行くことができる。
 だが、我慢した。