夏の猫

 松尾スズキ『スズキがのぞいた芸能界』読み終える。
 芸能界という世界に一定の距離をとりつつ、地味に併走してきた松尾さんの回想。面白し。

 暑いので、街を歩くスピードをゆっくりにしたら、普段1時間と少しかかる道のりが、4割増しになる。
 それでもかく汗の量は変わらず。

 夜、モチメ宅へ。
 猫のボラオが暑さで伸びていた。
 伸びきることで少しでも体の熱放出量を増やそうと、猫なりの浅知恵で考えているのだろうか。
 見た目がふやけた竹輪みたいで、間抜けさの純度が高い。

 そういえば、猫に会うと必ず、
 「こんにちは」
 と声をかける自分がいる。
 反応は猫によってさまざまである。
 びくっと立ち止まり、
 「な、なに?」
 とこっちを見る猫あり。
 面倒くさそうに薄めを開いて、
 「んー? ああ、どうもね」
 とうなずく猫あり。
 心地よい季節の時の、機嫌の良い時のボラオは、
 「よう塚ちゃん。最近どうよ」
 と聞いてくる。
 が、夏はダメだ。
 ただ、隙だらけの姿勢でその辺に伸びてるだけだ。