トッピングの限界

雨の中濡れて帰ったが、幸い風邪はひかなかった。
今週末はいよいよ台本も大詰めで、ラストスパートをかけなくてはならない。
ラストスパートとはいい条、詰め込める話に限りがあるので、どれを切ってどれを入れるかの調整も必要となる。
際限なくエピソードを入れることができるなら、ある意味とても楽だ。
ただ、それでは上演時間5時間とかいう、現実的でない本ができあがってしまう。
立ち食いそばやうどんのトッピングと同じだ。
天ぷら、天かす、コロッケ、わかめ、油揚げ、卵、山菜、山芋、牛肉、にしん…のせりゃいいってもんじゃない。

今回は苦戦している。
毎回同じようなことを思うので、数ヶ月後今回の公演を振り返ってみてどう思うのかはわからないが、心理的にはいつもと違う状態にある。
もしかしたら、年じゃないだろうか、などと後ろ向きな考えも頭をよぎる。
若い頃なら乗り越えられたギリギリ状態が、だんだんきつくなってくる。
そういえば先月を最後に、ジョギングをしていない。

苦戦の原因は、演出の方針にあるのは間違いない。
今までやったことのないことをしているからだ。
どういう風に受け取られるのか。
うまくいくのかいかないのか。
旗揚げ公演をした時みたいにドキドキしている。
そのドキドキが、20代前半の肉体にトッピングされるなら、人はそこに美しさを見いだすかもしれない。
だが、30代の「後半まいります後半スタート!」な肉体がドキドキしているのは、まかり間違えれば痛い眺めとなる。
(大人になれよ)
と、自我の暗黒から声がする。

とにかく週末は台本書きだ。
書いていく作業中、ここは頑張っとかなきゃという時期は必ずあるが、今週末がその時だろう。