再びビッグ・リボウスキ

母親が買った高電位治療器は、57万円する。
今朝、父親がその値段を聞いて怒っていた。
(今更なあ)
と思いつつ、朝飯を食べた。

母親が、健康食品やグッズにかける金額は、年々増加している。
買ったはいいが、満足に試さぬうちに埃をかぶるものも多い。
ちなみに戸棚には、豆乳クッキーのセットがあり、箱の中にはまだ封の開いていないクッキーが沢山残っている。
この三ヶ月、手つかずのようだ。

彼女にとって健康関連の商品にお金をかけるのは、お布施のようなものなのだろう。
健康になるということが、御利益なのだ。

いや、健康になりたいというより、老いやボケに対する恐れが人一倍強いのかもしれない。

それを怒った父親にしても、20万以上のノートパソコンを買って、半年もしないうちにまったく使わなくなることがあった。
そのパソコンをもっともよく使ったのは息子の俺だった。
「お前のために買った」
と、後々言っていたが、それは嘘である。
俺が使いまくったから、無駄にならなかったようなものなのだ。

今ある実家PCも同じパターンで、買った最初の頃は父親も少しさわっていたが、今ではほとんど触れることがない。
前回と同じパターンで、もっともよく使っているのは息子の俺。
改造してウィンドウズXPが動くようにしたのも俺。

そういえば、昔からお金の使い方の下手な両親ではあったと思う。
どちらも、とんでもないタイミングで、とんでもない浪費をする。

と、自分のことを棚に上げて考えて午前中を過ごしていた。
しかし、パチンコばかりやっていた20代の頃を思えば、人のことはいえない。

『ビッグ・リボウスキ』見る。
1回目より2回目、2回目よりは3回目と、この映画から得る悦びは大きくなっている。
ジャッキー・トリフォーンに薬を盛られたデュードが見る夢のシーンは、楽しいったらない。
ドニーの遺灰を海に巻いた後のシーンでは、必ず泣いてしまう。ボーリング場のありふれた風景なのに。
そして、サム・エリオットの死ぬほど良い声。
どのシーンも、何もかもが素晴らしい。

  1. Patsaks より:

    ビッグ・リボウスキ…

    大笑いする映画ではないが、くすくす笑いがボディーブローのように徐々に効いてくる映画、コーエン兄弟のビッグ・リボウスキー。

    兄弟で監督・脚本・製作をこなすジョエル、イーサン・コーエン、実は彼らの映画全て制覇している大ファン。
    ボーリング仲間の無職で元ヒ…