夏仕様の体じゃない

朝7時半起き。
珍しく目覚ましが鳴るまで起きなかった。
昨日作った味噌汁を飲む。

昼はTULLY’S COFFEEでエスプレッソを飲んだ。
砂糖を入れたら、色といい咳止めシロップみたいになってしまった。

家の外壁を伝うツタについてしばし考えた。
真夏の太陽をこいつらがセーブしてくれるおかげで、耐え難いほどの暑さから免れている。
しかし、油断すると窓の隙間から部屋に入り込んでくる。
その様子は触手のようで、実に、実にいやらしい。

去年は北側の窓にヤモリが張り付いていた。
ツタを伝って上ってきたのだろう。
ヤモリならいいが、カメムシが夜になって部屋に入ってくるのは勘弁して欲しい。
蛍光灯の周りをぐるぐるぐるぐる飛んでいる。
飛びながら、
「あははははは! あははははは!」
と笑っているように見えてむかつく。

後輩のKMは、部屋に蟻が入ってくることに悩んでいた。
彼の家を訪れた時、ポテトチップスのかけらを蟻が運んでいる現場を押さえたことがある。
「おいKM、蟻がえさ運んでるぞ」
彼は蟻をそっとつまむと、慎重に窓の外へ放した。

一年くらいしてまた彼の部屋を訪れた。
畳の縁を蟻が歩いていた。
「おいKM、蟻だぞ」
するとKMは鬼の形相になり、手のひらで蟻を叩き潰した。
蟻の命もむげには殺さない彼にいったい何が起こったのか?
「何があったんだ?」
「夜、パンツ一丁で寝ていたら、蟻の連中が噛みやがったんですよ」
「どこをだ?」
睾丸と尿道口だと、彼は答えた。
「…以来、わたしの部屋に侵入する蟻には、見つけ次第すべからくあの世に行ってもらうことにしました」

夕方、暑い中ゆっくりと歩いて帰宅。
少しでも急ぐとすぐに汗が出る。

なすとピーマン、豚肉とレバーを買い、ホットプレートで焼いて食べた。
夏バテに対する先制奇襲攻撃。
虫防御のために窓を閉め、汗防御のためにクーラーをつけた。

ヴォネガット『チャンピオンたちの朝食』読み進む。
<現実>に対してキレてしまった男の話であり、おそらくヴォネガット自身も執筆当時に若干切れていたのだろう。

夜中にクーラーを止めた。
安易な空調コントロールに身をゆだねすぎたことを反省する。
体がまだ夏仕様になっていないのかもしれない。