ラストシーン

ノートに書いてあったラストシーンを清書して、稽古場で渡す。

「(自分は)本当は、いないんじゃないか?」

という台詞と、

「(相手を)忘れないでいるから、(相手は)いられる」

という台詞を言わせるのが、今回の大きな目標だった。
ラストシーン以前にその台詞は出てくる。
言わせるために色々な回り道をしている。
その回り道はなるべく楽しい方がいいと思う。
すごくシリアスな回り道もできるんじゃないかとも思う。

起きている我々にとって夢の世界は現実ではない。
だdが夢の世界に生きる人にとってみれば、現実の我々こそが、夢の世界の住人なのかもしれない。
どっちも本当だったらどうなるんだろう。
二つの本当を混ぜたらどうなるんだろう。
そう考えて台本を書いてきたのだけど、出演者が女優ばかりでなかったら、こういうものにしようとは思っていなかっただろう。
男ばかりの芝居で同じ芝居をやったら、なんだか理屈が組合わさったものになり、整合性は取れても楽しくない芝居になるかもしれない。

昼稽古を終え、休憩中に『豚や』で豚汁うどんを食べる。
先に店に入っていたら、後から仲澤さんが入ってきた。
固い黒うどんに四苦八苦していた。

夜、綾香のヘアメイク。
髪の毛を切らずにいくことになった。
少年、というより、小僧、という感じ。

9時前に稽古終了。
台本あがりを祝って、荻窪で軽く飲む。
11時半帰宅。