一こま進んだ

10時半起き。
どんなに夜更かしをしても、その時間までには起きる。

起きてすぐ台本書き。
走馬燈の話を書き足すが、うまくいかなかったので、別の台本にうつる。

昼12時、トーストを焼き、ベーコンエッグと一緒に食べる。

午後から夕方にかけて台本書き。
同性カップルの話、禁煙室の話、夢の中に入る話、走馬燈の話、それぞれ書き足す。
印刷を終えてから、6時に稽古場へ。

本日もマグ3人での稽古。
先に芹川と二人で、禁煙室の話をやる。

芹川と知恵の話は、普通の若い男女が自然に話す感じの芝居。
オレと知恵さんは、知恵に色々やってもらって、それをオレが受ける形。
では、オレと芹川はどういうのが合っているだろうか。
色々考えたところ、お互い小難しい理屈をこね合うのが、面白いんじゃないかと思った。
それで禁煙室の話を二人バージョンに書き直したのだが、読んでみると、笑える話じゃないが、合っているかもしれないなあと感じることができた。
突き詰めてみよう。

知恵と芹川に、部屋探しの芝居を稽古してもらう。
その間、自分は台詞を覚える。
時々、二人が台詞のやりとりについて議論している声が聞こえてくる。
めんどくさいかもしれないが、そういう時間の累積が、息を作るんだと思う。

続いて、オレと知恵のシーンを稽古する。
「ゆっくりやってみよう」
と言い、台本を最初から稽古していく。
途中で止めて、
「オレ(の役作り)、どんな感じかな?」
と聞くと、
「やりやすいなあと思いますよ」
と言われ、突然、自分が役者的には先輩であることに気がついた。
受けの芝居をしようと、その時に思った。

次に、走馬燈の話を稽古する。
これは、参加者が揃ってからでないとうまくいかないが、書き足した部分をちょっとやってみた。
2000年に上演した『断末魔の轟木史』が下敷きになっている。
これは、さらに昔、学生時代に書いた本が元になっているのだが、余計な部分をそぎ落として、今の自分の頭で書き直すと、20分ちょっとの芝居にまとめられると思ったのだ。
マグ不足Vol.3の最後にやるには、ちょうどいいかもしれない。

9時半に稽古終了。
駅まで、だらだら喋りながら歩く。
芹川、歩道を歩いていると美容室が多すぎることに文句を言う。
文句、というわけではなく、ニュアンスとしては、「チェック」なのだけど、チェックしたことを表現する手段が、「文句」に近くなっている。

駅で二人と別れ、西荻南口のグルメシティで買い物をする。
10時帰宅。
風呂に入り、上がってから、冷凍食品の唐揚げを温めて食べる。

2時就寝。

自分の中にある、闇の部分が開き、そこから流れ出てくる言葉が、めぐりめぐって最後には自分を追い詰め、貶め、傷つけるといいうことを、考える。
いい人になりたいというわけじゃない。
だけど、自分がどれだけ傲慢だったのか、後になって気づくというのは、とても情けない気分がするものだ。
痛い思いをしないとわからない。

心を入れ替えてという、大げさなものではなく、やっぱり、痛みを感じたら、このままじゃダメなんだという風に思い直して、少しでも自分を変えようとしていかないといけない。
たとえ、絶対に変わらないとわかっていても、変えようともがくことは、しないといけない。
そうすることで、今まで失礼なことをした色々な人に、敬意を表することになったり、誰か傷ついた人が、少しだけ救われたりとかすれば、変われなくても、もがいた意味はある。

今年は、ずっと、そんなことばかり考えて、もがいてもがいてもがいている。
孤独は恐くないけれど、孤独でいいやと開き直るのも、良くないことなんだろう。
もっと他人の気持ちをわかれる人間になりたい。
今さら、そんな青いことで悩むなんておかしいかもしれないけれど、そこに戻って苦しまないと、先に行けないんだと思っている。

少しずつだけど、落ち着いてきてもいる。
人知れず静かに狂うようなことも、なくなってきている。
「お前、そうだったのか?」
なんて思われると、説明が難しいが。
とにかく、落ち着いている。

ゆっくりいこう。
丁寧にいこう。
毒があるなら、うまく吐きだして忘れよう。

双六が、一こま進んだ。