空っぽの頭がしでかす

9時起き。
予約表を印刷して家を出る。
11時半に劇場到着。
カギを開けて中へ。
昨夜の後片付けはあらかた済んでいたので、12時に集合してからそのまま本番準備に入る。

全ステージ中、予約が昨日に集中したため、今日以降は客席をゆったり使って見てもらえる。
マグネシウム不足に関しては、お客さんに見て欲しいという気持ちはもちろんあるのだけど、それよりもリラックスして見て欲しいという気持ちの方が数段強い。

かといって、今後の活動をマグネシウム不足中心にするつもりがあるわけではない。
交互に、あるいはマグネシウムの本公演の合間に、思い立ったらすぐに実行できるようなユニットとなり、その成果を様々な形で本公演に還元できれば、一番嬉しい。

2時、マチネ開演。
昨日よりもお客さんが少なかったため、席に案内する仕事は楽だった。
以前、南河内万歳一座の『青木さんちの奥さん』をスズナリで観た時、客席ががらがらで、前説の時に役者さんが、
「横に寝っ転がって観て構いませんから」
と言っていたのを思い出す。
寝っ転がって観る芝居は、どういう芝居がいいのだろう。

『走馬燈』のラスト、昨日よりも感情エネルギーが大きくなっていた。
日に日に、良くなっている。

やっている側からすると、1本目の『先輩役者』から、7本目の『決闘』までがあっという間だ。
次の『野球部』と『走馬燈』は連続してやるので、それが後半という意識がある。

終演後、お客様を送り出す。
ソワレまで若干時間に余裕があったので、集合時間などを決めてから、各自自由時間をとる。

外に出て散歩をしてみた。
板橋駅のロータリーを過ぎ、飲食店の並ぶあたりを、頭を空っぽにして歩く。
小一時間うろうろしてから劇場に戻る。
「しましまの雲、見えました?」
と森さんに聞かれたが、建物に隠れていたせいか、気づかなかった。

7時、ソワレ開演。
自分の出る『禁煙席』で、台詞を間違える。
長めの台詞の後に、先の方で言うべき言葉が出てきてしまう。
頭がぐるぐる回った。
『鼻歌女』でも、台詞を一つ飛ばしてしまった。
頭を空っぽにし過ぎたせいだろうか。
言い訳は効かない。
『走馬燈』を、丁寧にやった。

終演後、芹川と知恵ちゃんに謝る。
面目丸つぶれ。ざまあない。

劇場を閉めて、友人清水と榊原が飲んでいるお好み焼き屋へ。
早めの夕食を腹に入れていたので、あまりお腹が空いていなかった。
飲み物だけを頼む。
榊原は『絶滅』が。
清水は『鼻歌』が気に入ったと言ってくれた。
清水、それはそれとして、クワガタ飼育を勧めてきた。

「卵から育てて成虫になる喜びを、君も感じてみたくはないかい」

興味はあるのだけど、それよりも先に、夏のクヌギの木で、本物のカブトムシやクワガタを捕まえるということをしたい。
飼育より、捕獲に興味があるらしい。

「捕まえたら、もう、放してもいいんだ」
「ほう。キャッチアンドリリースですか」
榊原が言った。

11時に店を出る。
役者陣が飲んでいる和民に顔を出す。
ちょうど会計を済ませたところだったので、40分ほどお邪魔して辞去する。

12時半過ぎ帰宅。