サルチネス全巻読む

気分がムシャクシャしていた。
次回公演のことがうまくいっていないためだろう。
夕方まで仕事をするが、気分がささくれ立っていると効率も落ちる。

仕事を上がり、西新宿のBookOffに立ち寄る。
先週飲んだ時、同じビルに入っていることを知り、興味を持った。
お洒落なビルに入ったBookOff、どんなものか見てみよう。

中は普通のBookOffだった。
コミックのコーナーを歩き、古谷実『サルチネス』の2巻を見つけた。
1巻はすでに読んでおり、主人公の中丸タケヒコにいまいち好感が持てずにいた。
前作『ヒメアノール』の後味悪い展開が頭にあり、この作品も同じテイストで終わるのだろうと勝手に予測してもいた。
ところが『サルチネス』2巻を数ページめくると、主人公の出生について語られる場面があった。
母親を恨んでいるかと聞かれた中丸が答える。

「もしこの世を司る何かがいたとして、そいつがオレ達の母親から理不尽に“普通“を奪ったのならば、オレはそいつを恨む」

すぐに本を閉じた。
これは、全巻買わなくてはいけないと思った。

7時過ぎに帰宅。
コナミへ行き、筋トレと有酸素と水泳を真面目にやった。

帰りに、荻窪のBookOffに寄ってみた。
すると『サルチネス』が全巻あった。
迷わず購入した。運命だ。

帰宅し、1巻から読み直す。
ゆっくり、2時間くらいかけて全4巻を読了。

泣かされた。
そういう作品を、古谷実が描いていたことが衝撃だった。