愛の賛歌を歌う原田芳雄

8時起き。
歯がしみた。
虫歯ではなく、歯茎に口内炎が出来たようだ。

昼、「丸信」へ。
「年越しに中華そばをどうぞ」
という張り紙がしてあった。
悪くない。
でもそれなら、東小金井「宝華」の方が、お土産セットとしては魅力的かもしれない。

図書館へ行き、予約した本を受け取る。
戯曲の他に、原田芳雄のエッセイ集も借りた。

帰宅後、原田芳雄の本をめくる。

健さんが亡くなった後、何本か健さん主演映画を見返した。
『君よ憤怒の河を渡れ』も見た。
永田雅一プロデューサー。
中国で初めて後悔された外国映画で、もの凄い数の人が見たという。

この映画、なかなかトホホな作品だ。
北海道の場面、ヒロインの中野良子が木のてっぺんで助けを呼んでいる。
木の下にはぬいぐるみ感たっぷりのヒグマ。
健さんはヒグマを銃で撃つのだが、返り討ちにあう。
健さんを追う刑事の原田芳雄も、このヒグマに引っかかれて重傷を負う。
テーマ曲は男の声で「♪ダーヤラ~~ダヤヤ~~ダヤララ~~」という、妙ちきりんなスキャットになっている。

この映画を見る価値のあるものにしているのは、原田芳雄の存在だ。
低音芝居が、とにかく格好いい。
色黒で厳つい顔。
伸びたもみあげ。
トレンチコート。
ティアドロップ型のレイバン。
70年代そのものだ。

そのことが頭にあったので、原田さんの本を借りた。
先日借りた俳優座養成所の本も、実は原田さんが俳優座出身だからだ。

少年時代、歌手に憧れていつも歌っていたという。
スタイルがある歌い手で、同時に名優ということでは、ショーケンと双璧だ。

思い出した。
つかこうへい原作の映画『寝取られ宗介』の主演が原田さんだった。
越路吹雪ふうのメイクと衣装で「愛の賛歌」を歌うクライマックス場面。
あれは、すごいシーンだった。

映像がYoutubeにあった。

どさ回りの一座で、越路吹雪の弟というベタな設定で歌う座長の宗介。
いかにも、つかこうへい風の設定だなあと思うのだが、原田さんにここまで見事に歌われてしまったら、かなわない。