鯉の名前

6時40分起き。
鮭、大根おろしで朝飯。

父が話し始めた。
「下の遊歩道に、川が流れてるだろ。あそこに、鯉が住んでいてな」
「ああ、いるね」
「川が、交差点で道路の下に潜っているんだ」
「暗渠になってるんだね」
「鯉たちは、普段そこに隠れとるんだよ」
「ふうん」
「でな、お麩を持っていって投げたら、そこから出て来てパクパク食うんだよ」
母が会話に加わる。
「毎日夕方、餌やりに行ってるんだもんね!」
「そうなんだよ。夕方4時くらいに毎日、下降りて餌やってるんだ。そしたらな、その時間に行くと鯉たちが、暗いところから出て来て、餌を待ってるようになってなあ」
餌の時間を鯉たちが覚えたのだろう。
オレも、釣ったフナとかクチボソを飼ったことがあるけど、彼らは確かにそういう習性がある。
父は続けた。
「可愛くてなあ。そんで、名前つけたやった」
味噌汁をすすり、聞き返す。
「なんて名前?」
「太郎くん」

朝の東西線のラッシュにもまれながら、太郎くんとはまたストレートなネーミングだなあと考えていた。

8時丁度に仕事場へ。
ダウンロードの作業など早めにやる。

昼はタマネギサラダとカップ麺。
生のタマネギの旨さに目覚めつつある。

午後、依頼仕事をいくつかする。
ここ最近暇だったが、今日はトラブル改修と依頼仕事をすべてこなし、6時半過ぎまで残業した。
仕事をしたなあという気分だった。

8時帰宅。
サラダと、冷蔵庫に残っていた煮豚で夕飯。
「贅沢な肉」用に作っていた煮豚が、すべてなくなった。