過去のオレがそこにいるのか

暑くて目が覚める。
8月とはそういう月だ。
特に前半。

9時に起きる。
布団を干し洗濯をする。

11時に外へ。
暑かった。
「丸信」へ。

シャッターに張り紙がしてあった。
5日まで休みだという。

天沼の方まで足をのばす。
「春木家」に入る。
そういえば去年の8月にも同じようなことがあった。
そして「春木家」に行くのはそれ以来だ。

大中華そばを食べる。
記憶にあるよりも量が少なかった。

店を出て自転車に乗る。
サドルが熱くなっていた。

どうも食い足りない。
カツ丼が食いたい。
昔なら、荻窪西口に「天亀そば」という立ち食いそばがあり、ワンコインで美味しいカツ丼を食わせてくれた。
しかし、今年の1月に閉店してしまった。
今、荻窪で美味いカツ丼を食わせる店はどこにあるだろう?

スマホを忘れていた。
調べようもない。
「富士そば」の、なんちゃってカツ丼は避けたい。

知っている店なら、「冨士中華そば」しかなかった。
店の前に行くが、開店前だった。
周辺をうろうろして時間をつぶす。

うなぎの「川勢」に、開店前の行列が出来ていた。
一度も入ったことがないが、荻窪南口にある「安斎」や、西荻窪の南にあった「田川」に比べると、予約なしで入れる分敷居は低そうだ。
来週末にでも並んでみようか。

12時に「冨士中華そば」へ。
カツ丼を頼む。

ここのカツ丼は、カツが薄めのロース肉を折って畳んで揚げたものなので、食べていると肉がほどけてくる。
その安っぽさこそ、カツ丼らしさであるとオレは思うし、カツ丼にカツ丼のキャパシティを越えた旨さを求めるのは、無粋なことであるとも思っている。

しかし、量が少ないとはいえ、中華そばを食べてさらにカツ丼を食べたので、胃袋はパンパンに膨らんでいた。
12時半に帰宅。
ぞうきんを絞っているみたいに汗が出た。

隣の部屋で内装工事をしていた。
壁から床からすべてはがし、完全にリフォームするようだ。
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1時に再び外出。
荻窪の区役所事務所で住民票のコピーをもらおうとしたが閉まっていた。
阿佐ヶ谷の区役所で発行してもらい、新高円寺の不動産屋へ。

新しい部屋の契約手続きをする。
説明を聞き、納得し、サインするの繰り返し。
1時間ほどかかった。

自転車で荻窪へ戻る。
途中、あまりにも熱かったので、100円ローソンでペプシを買って飲む。

3時半帰宅。
お腹が張っていた。
床に横になり、小一時間昼寝をする。

6時、着替えてジョギング。
八丁商店街を北に向かうコース。

先週走った時は、お粥しか食べていなかったのと、昼の暑い時間帯だったのとで、息があがって大変だった。
今日はカツ丼と中華そばという、幸せの黄色い定食をしっかりとった後なので、エネルギー補給は十分だった。
石神井公園駅の西を通り抜け、サークルKのところで引き返す。
丁度片道5キロ。

石神井公園に人が集まっていた。
どうやら、今日は花火大会があるようだった。
見ていこうかと思ったが、日はまだ沈んでいなかった。

それでも、何発か挨拶代わりに打ち上がったのでその場で写真を撮った。

7時過ぎ帰宅。
往復10キロのはずだが、写真を撮った時にアプリの計測がオフになってしまったらしい。

水のシャワーを浴びる。
ぬるま湯に近かった。

「ど根性ガエル」見る。

我々世代は、アニメを再放送で楽しみ、81年のリメーク版には見向きもしなかった。
今回のドラマは、81年のリメーク版よりできが良いので、とても楽しい。

最後にアニメを見たのは、もう30年以上前のことだ。
にもかかわらず、話はけっこう覚えている。

・ひろしが、プロボーラーの女の子にアドバイスする話。
・南先生が、車のパーツ探しのため、夜な夜な廃車置き場へ通うのを、よしこ先生とひろしが怪しむ話
・小遣いで寿司を食べるが、十円足りなくて、その分を働いて返そうとしたひろしだったが、出前先が自分の家でがっくりする話
・シンパチ(だったかな?)という、ひろしのライバルみたいな少年の話
・そのシンパチ(だったかな?)の育ての親が、うば桜という名前だった
・ひろしとぴょん吉がエレベーターに閉じ込められる話

とにかく、小学生の頃は平日の再放送アニメが面白かった。
5時に「天才バカボン」もしくは「もーれつア太郎」を見て、5時半に「リボンの騎士」とか「バビル二世」とか「どろろんえん魔くん」を見て、5時55分から6時までの5分間に大急ぎで晩飯を食って、6時から「ルパン三世」とか「ど根性ガエル」を見て、6時半から「ハクション大魔王」とか「マッハGoGoGo」を見ていた。
さらにその後で、夜の7時台は週に一回ペースで放送される、「元祖天才バカボン」とか「コンバトラーV」とか「ライディーン」とか「宇宙の騎士テッカマン」とか「未来少年コナン」とか「ニルスの不思議な旅」とか「グレンダイザー」とか「銀河鉄道999」とか「サイボーグ007」とか。

とか、とか、とか。
浴びるように見ても、まだ足りないほど、オレの小学生の頃のテレビはアニメにあふれていた。
本数でいえば、今の何倍だろう?

子供の数が今よりも多かった事情もあるだろう。
日本の音楽市場、最大の売上枚数を誇る「およげたいやき君」が発売されたまさにその頃、オレはそのレコードのターゲット層だった。

「ガンバの冒険」というアニメがあった。
今思えば、子供向けにしては相当どぎつい描写のある、ヘビーな話だと思うのだが、オレはこのアニメが大好きだった。
イタチのノロイは、もう、本当におっかなかった。
あの作品を当時作っていた大人達は、子供向けだからといって手加減はしなかったのだろう。
ひたすら、怖いものを、面白いものを、全力で作ってくれたのだと思う。
だから、今見ても胸が震えるし、こういうものを子供達に見せてあげたいと思う。
子供向けだからこそ、本気で作るべきなのだろうな。

12時近くなり、腹が減ってきた。
昼にがっつり食ったとはいえ、10キロ走ったし、腹が減るのは当たり前だ。

自転車で荻窪へ。
「ラーメン大」で野菜増しを食べようと思った。

閉まっていた。
1時半までだと思っていたが、店の看板を見ると23時半までとなっていた。

駅の南側を引き返す。
途中、ふと思い立ち、すずらん通りをまっすぐ抜け、環八を渡り、住宅街を走った。
その道は、荻窪駅から以前住んでいた部屋に帰る時のルートだ。

環八を渡って左に、昔はampmがあった。
今は中華料理店になっている。
坂を上ると左に新しくできたセブンイレブン。
そのまま進むと、右手に花屋。
さらに進むと、昔と変わらぬ住宅街がある。

小学校の左斜めにある交差点を右に曲がりまっすぐ進んだ。
見事な桜が咲いている家を通り過ぎ、ジョギングする時によく通る道を横断し、しばらく進んで左に、その古いマンションがある。

オレが住んでいた部屋には、明かりがついていた。

センチメンタルな気持ちになった。
真夜中の住宅地を走り抜ければ、10年前のオレの生活がそこにあるんじゃないかと思った。
あの明かりには、あの頃のオレがまだ暮らしていて、その明かりを今のオレが、見ているんじゃないかって。

そんなこと、あろうはずがない。

部屋の下を通り過ぎ、酒屋の角を右に曲がり、神明通りを西荻窪へ向かった。
以前はその道を使って仕事に通っていた。
今住んでいる部屋からも使うことがあるので、懐かしいエリアと珍しくもないエリアが混ざっている。
稽古でよく使うエリアもあるが、昔の部屋からそこへ行くと、とても変な気分になる。
過去から現在へタイムスリップしたかのようだ。

駅近くの「ラーメン千」がまだあいていた。
そこはかつて「ラーメン大」の西荻窪店だった。
事情があって店の名前を変えたが、野菜増しは健在だ。

中に入り、ラーメンと野菜増し増しを頼んだ。
もやしがタワー状に盛られてきた。
麺は少ないのだが、野菜が多いために満腹になる。
麺で満腹になるわけじゃないから、気に入っている。

食べ終わり、向かいのグルメシティでサイダーを買った。
相変わらず、必要以上に冷房が効いていた。

自転車に乗り、駅の北側に抜けると、普段見慣れた町並みがあった。
そこはもう、過去ではなく現在だった。

1時半帰宅。
荻窪と西荻窪をぐるっと回ったので、けっこう時間が経っていた。

Gyaoで、しゃべくり007を見る。
三浦春馬が出ていた。
きれいな顔をしてる子だなあと思いながら、最後まで観てしまった。
3時を過ぎていた。
冷房の温度を29度にして就寝。