仕事の回想

9時に宅急便の配達に起こされる。
Amazonに注文していた本など届く。

眠かった。
どうも昨日飲んだミードが良くなかったらしい。
頭がぐるぐる回った。

1時に外へ。
雨だった。
ウェルシアで買い物。
昼飯にスンドゥブ、ツナサラダ食べる。

5時まで、家でブログ書きと、javascriptの勉強。
どんなプログラミング言語にも、変数、条件分岐、繰り返し処理がある。
編み物の編み方みたいなものだ。
問題はそれをどう組み合わせれば、マフラーや手袋や靴下になるのかであって、言語の違いは組み合わせ方の違いなのだと心得て覚えるようにしている。

読む本がなくなったので『帝王ビル・ゲイツの誕生』を三日前から読んでいる。
20年前に書かれたビル・ゲイツの伝記。
買ったのは2001年の1月で、なぜ買ったのかというと、いうと、ええと…覚えていない。

2001年のその頃は、コンピューター関係のスキルを何か身につけようと悪戦苦闘していた。
自分のパソコンを持っていなかったので、実家にいることが多かった。
西葛西の、今はなき書泉の2階で、PC関連書籍を立ち読みしたものだった。

今の仕事は、Accessのデータベースを本来引き継ぐ人へのサポート要員として、臨時で入ったのがきっかけで始めた。
Tさんという人が別の部署に移るので、Eさんに引き継ぎをしなくてはいけない。だがEさんはAccessがわからない。しばらくの間彼のサポート役をしてくれないかというものだった。
仕事における第一の転機だった。

Tさんからは引き継ぐデータベースのことを教わったが、マニュアルの多さに閉口した。
Accessがわかっても業務内容はわからなかったので、ミスをしてはやたらに怒られた。
教わっている時、例えばコピー&ペーストをマウスのメニューでやったりすると、
「塚本さんはショートカットキーも知らない!」
と、Tさんは当時の上司に訴えたらしい。
心配になった上司がら、仕事を斡旋してくれた人に連絡がいき、呼び出されて個人面談を受けたこともあった。
さらにはTさん、最終日に関係者のデスクにオレを連れて挨拶回りをし、
「この人(オレね)が引き継ぎますが、仕事はEさんがしますから」
と言ってのけたのだ。
おいおい、そこまでいうのか。つまりオレは使い物になんないから相手にするなってことじゃねえか。チキショー!

Tさんがいなくなってから、落ち着いてデータベースの中身を調べる時間を取れるようになった。
VBA、マクロはほぼ使っておらず、追加クエリを実行する時は一時的に主キーを外し、テーブルを直接開いて重複分の削除をし、再び主キーをつけ直して保存するということをしていた。
当時の自分は今よりも知識が乏しかったが、それでも主キーをつけたり外したりという運用には違和感を覚えた。

で、わからないことを調べるために、西葛西の書泉で書籍の立ち読みをした。
ところが、Tさんがいなくなってからわずか三週間後に、西葛西の書泉は閉店してしまい、これには慌てた。
上司が色々な仕事をくれたため、進捗状況を定期的に報告しなくてはいけなかった。だが書泉には頼れない。
仕方ないのでAccessの分厚いリファレンス本を買い、虎の巻にした。
それからは、作ってばかりの日々だった。
csvのインポート、文字列や日付情報の関数処理、DAO、ADO、そのあたりと格闘していた。

半年後、引き継ぎがほぼ終わり、別の部署に異動することになった。
なんとTさんのいるところだった。
彼女は新しいデータベースを作っていたのだが、集計をするAさんという人との関係がこじれてしまい、Aさんの補佐としてオレがつくことになったのだった。

Tさんは常にストレスを溜めており、データベースの運用はどんどん先延ばしになっていた。
1月予定が2月、それが3月4月というふうに。
そしてある日とうとうTさんは、
「もうこれ以上、私はできません」
と、ボイコットしてしまった。

それを引き継ぐことになったのが、第二の転機だった。
当時の心境をひと言でいえばこうなる。
「マジかよ?」

TさんはVBAを使えなかった。
また、サーバーにデータ用のAccessファイルを置いて運用するやり方も、うまくできていなかった。

これらが使い物になるようにするのに一ヶ月。
仕組みを整理するのに三ヶ月。
安定した運用ができるようにするまでに半年かかった。
この時期に勉強したことは、本当にたくさんある。
プレッシャーは大きかったが、やれて良かった。

回想終了。日記に戻る。

雨の中、桜新町の稽古場へ。
3幕の後半をやる。

7時半から、1幕からの切り通し。
台詞を一字一句間違えないように言おうとして、かえってトチりまくってしまった。

9時半終了。
渋谷から井の頭線で永福町、そこから自転車で帰宅。

デビッド・ボウイの映像をYoutubeでみて、切ないため息をついて、5時に寝る。