中上健次再読

またしても朝、起きるのに失敗。
体調、良くも悪くもないという、ぱっとしなさ。

中上健次『岬』読み始める。
読むものがなくなったので本棚をあさり、15年前に一度読んだっきりの本。
その時は中上健次の文を脳がうまく受け付けず、読むのにけっこう苦労した。
今は、というか最近、というか昨日から、純文学が読みたい気分になっている。
そのせいか、一行一行が、腹にのめり込むパンチのように効く。

中上健次が亡くなって四半世紀近くがたつ。
無頼派、というより武闘派で、文学賞の審査員をしていた時に、暴れてやると宣言したため、他の作家陣が戦々恐々となったことを、筒井康隆が日記に書いていた。
つかこうへいの日記にも登場している。
デフォルメが施されているが、
「てめえの書く必然性は何だ!」
と凄んだセリフを吐いたところを覚えている。

戦後生まれで初めて芥川賞を取った作家で、現・幻冬舎の見城徹氏としょっちゅうつるみ、
「芥川賞とったら返すから金を貸してくれ」
と、賞金と同じ額を借金したらしい。
そして本当に芥川賞を取り、賞金をそのまま返したとか。
賞を取るのもすごいが、貸す見城さんもすごい。

野田秀樹は80年代に対談しており、戯曲の文庫本では解説を中上健次が書いている。
仲が良かったのかと思いきや、野田さんは自著でけちょんけちょんにけなしていたし、芝居でも「中上健次のバカヤロウ」と言ったりしていた。
嫌いだったんだろうか、それとも喧嘩した状態でいるのが正しい付き合い方と思っていたんだろうか。

北方謙三、勝目梓、二人とももともと純文学を志していたが、エンターテイメント小説に転向した。中上健次の才能に圧倒されて。

見城さんは、小説家を志す人に向けて、書かないと死んでしまうから書くのだ、と檄を飛ばしだ。
それは中上健次のことだったのだろう。

夕方池袋「たつ家」にて、コンドウくんと飲む。
これからの人生について、真面目な話色々する。

11時半に店を出る、

12時過ぎ帰宅。
蒸し暑かった。
冷水シャワーを浴び、2時までぼーっとしてから就寝。