荒川河口で釣り

「体操日本チームのピカチュウ発言をもし古舘伊知郎が言ったら、差別にはならなかったと思うんだ。言葉そのものが問題ではなくて、言った者と言われた者の関係性によって、言われた者が差別を感じ取ることで、差別発言は生まれるだろ?今回の場合、フランス人が言ったことで差別されたと感じたなら、劣等感の告白みたいで、なんかイヤなんだよ。そんなに大した発言か? いや、擁護するわけじゃないけど」

3時半に目覚ましが鳴り、夢の中での演説は終わった。
誰に向かって喋っていたのやら。

父がまだ起きていた。
「ラグビー負けた」
と言った。

着替えて荒川河口に向かう。
土手の椅子に座ってルアーを取り付ける。
おにぎりといなり寿司を食べ、柵を乗り越えると、白猫がいた。
荒川河口はテトラポットがあり、彼らにとって格好の住みかになっている。
餌は釣り人がくれる魚か、あるいは水辺の鳥か。
いずれにしろ満足に食べ物にありついているわけではなさそうで、白猫は痩せこけていた。

干潮で川岸は岩が露呈していた。
ぬるぬるして滑るので、慎重に歩いた。

フローティングのルアーでまずは始めてみた。
釣りというより、投げる練習をしている感じだった。
時々、水面を魚がジャンプした。
ボラだろうか。

食いつきはまったくなかった。
そのうち日が昇り、明るくなってきた。
魚が活性化する時間帯だが、潮が引きすぎていて、釣れる予感がなかった。

ルアーをバイブレーションに替えた。
重くなり、飛ばす距離は遠くになった。
だが、数回投げると根掛かりしてしまい、そのまま切れてしまった。
荒川河口は浮くタイプのルアーでなければ厳しいのかもしれない。

7時過ぎまで投げては引きを繰り返したが、一度も当たりは来なかった。
たぶん今日はだめだ。
釣れない時は絶対に釣れない。
まして素人だ。
また潮の良い時に来てみればいい。

白猫はまだいた。

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7時半帰宅。
シャワーを浴び、朝飯を食べ、布団に横になった。
12時に起き、昼飯にそうめんを食べ、また寝た。
次に起きたのは5時過ぎだった。
一日中寝ていた。
最近寝不足だったツケを一気に払ったような気分だった。

夕食にオムライスを食べ、実家を出る。
8時半に自宅へ。

『ニール・サイモン戯曲集1』読む。
まずは「カム・ブロー・ユア・ホーン」から。
シチュエーションコメディのお約束に満ちている。
人物Aが来ると思ってドアを開けたら人物Bが立っているというパターンを基本の編み方にして、複雑な模様を作り出す要領。
そして、日頃の人間観察のたまもの。