エレキを禁止するタイプ

仕事をしている夢を見た。場所は、夢に何度か出てきたことのある架空のビルの架空のオフィスだった。時刻は9時だった。突然、頭の薄い架空の上司に背中を叩かれた。彼は受領証を渡してきた。怒っており、説明するようにと吐き捨てるように言って、どこかへ去ってしまった。
受領証は、個人的に使うために、会社の金を使って買ったパソコンのものだった。しまった、と思い、噴水の縁に腰掛けて、おのれの去就を思案した。責任をとってやめるしかないと思った途端、目が醒めた。8時40分だった。

9時8分に家を出た。昨日届いたロッドをリュックにさして自転車を漕いだ。ロッドは頭より1メートル近く高い位置まで出ていた。
信号の通りが良かったので、17分ほどで初台に着いた。ファミマでコーヒーを買う余裕があった。

11時頃、お腹が鳴った。夜にラーメンを食べたため、甘やかされた胃袋が炭水化物を求めて訴えていた。空腹ではなく、不腹とでもいうべきだろう。

昼、ファミマで辛い麺を食べた。ラーメンではなく、汁はどろっとしていた。

『続明暗』読む。津田が、清子と逗留客の夫妻と四人で滝を見に行く場面。夫婦はじきに宿を出ると聞き、津田は部屋でほくそ笑む。マジかよ二人っきりだぜおい、こりぁあ、行くとこ行っちゃうかもしんねいな、へへへっ、の笑い。

チロシンのサプリを飲んだ。それだけ飲むと落ち着かなくなるので、ロディオラを併用した。どちらもスマートドラッグと言われるサプリメントだ。

台本を書いている時は、ドラッグ的な何かが欠かせなかい。
瞑想や自律訓練法も試したが、気分が落ち着くと眠くなってしまい、寝てしまうと結果的に何も書かないことになるので、得られた落ち着きが無駄になる。あれは、書いたあとにするべきものだと思う。
仕事をして稽古をして、夜の11時か12時に帰宅すると、台本なんか書きたくないのだ。
じゃあ、休みの日を丸一日使って書けばいいではないかと思うが、それをやっても大して仕事は進捗しなかったりする。仕事、稽古と刺激に晒され続けたあとの方が、ページが進むことは多い。
しかし、眠いし疲れるし気は塞ぐしで、仕事アンド稽古帰りに、台本なんか普通はとても書けないわけである。だから強壮剤の出番となる。古くはリポビタンD。やがてユンケル。タバコもそのうちのひとつだった。
景気づけにウオッカをストレートで飲んだこともあった。映画「アマデウス」のモーツァルトじゃあるまいし、そんなことを続けていたら死んでいたと思う。幸いタイミングよく台本を書く機会が一年以上あいたので、習慣化には至らなかった。
カフェイン系のガム、ドリンク、錠剤は、頭が痛くなったし、眠気も取れなかった。しかも、眠いのに眠れないという最悪の状態になった。
咳止め薬のブロンを試したこともある。これは、精神がハイになるのだが、依存症の危険がとても高い。中島らも氏もこれの常用者たったと思う。ここ一番の時に恐る恐るの量を服用したら、確かに、書くことが地獄の苦しみのようには感じられなくなった。しかし、常習性を知っていたので、トータル三回しか試さなかった。
エフェドリン系のダイエット薬は、心が落ち着かなくなって全然駄目だった。葛根湯は良かった。頭がスッキリするし、決められた使用量を守れば害もない。ただ、効き目は良くても、台本を書くたびに服用するには、値段が高かった。長え風邪だ。
エゾウコギはサプリを試した。服用するとすぐに慣れてしまうのが玉に瑕だったが、ロディオラとの組み合わせで飲むと、気持ちは落ち着くし持久力もつくので、徹夜作業には良かった。
アシュワガンダは眠剤代わりに使用した。眠剤を処方してもらっていたこともあるのだが、アシュワガンダはサプリなので、効き目は大変穏やかだ。健康にもいい。
バコパとゴツコラは、台本以外に頭を使う時に服用した。チロシンは、エゾウコギ同様、ロディオラとコンビで服用すると、仕事が捗った。
なるべく医薬品に頼らず、脳のメンテナンスをするには、漢方薬や、自然の薬草をもとにしたサプリで微調整していくのが、体には一番ダメージがないと思う。魔法の薬なんてないのだと思うが、それでも手立ては講じていかないと、ある種のしんどさは心を蝕む。

夕方、西葛西へ。
「なか村」という鳥料理の店で、母妹と飲んだ。ふたりは一時間ばかり早く来て飲んでいたらしかった。
「食べろ食べろ」とせっつかれ、テーブルに出ていたアヒージョを食べた。
レバー、ねぎま、揚げ出し豆腐を頼み、ハイボールを飲んだ。
世間話から、家庭の話になり、妹の息子のこと、義父のことなどを色々聞いた。
この義父という人が、孫について色々文句を言うらしかった。
孫というのは、三兄弟の二号で、髪を染めてピアスをあけてるのだが、義父氏は、教育がどうとか、儂なら許さぬとか、正月の席で妹にぐちぐちこぼすらしい。この御仁、世が昭和四十年代なら、エレキギター禁止に奔走するようなタイプであらせられるようだった。
問題は、その席に孫本人もいることで、義父氏の圧を目の前に、洞ヶ峠を決め込みかねている母の姿を見ることになる。見ない方がいい。その席に、彼はいないほうがいい。
と、いうようなことを思ったので、言いはしたけれども、実は、妹は、意見など必要としていないのだとも思った。ただただ、そういう話を聞いてほしいのだ。

10時に店を出た。母と妹は、近くでバイトしているという息子の様子を覗きに行った。

ひとり実家に帰り、シャワーを浴びた。
新聞など読んでいると母が帰ってきた。「携帯落とした」という。たぶん、お店で落としたのだろう。
買い物ついでに店に行ってみると、閉店の後片付けをしており、携帯も預かってくれていた。受け取り、アコレで水を買って帰宅。

高橋由伸が巨人の監督を退任することになった。次は誰になるのか、簡単に決められないのは、巨人の弱点だと思う。指揮能力以外に、「顔」が必要という、わけのわからないことになっている。巨人の生え抜きOBということだけでなく、なおかつ大選手でないといけないような、世間の雰囲気がある。
それが、優勝するかしないかだけではなく、応援されるかされないかの問題になっているから厄介だ。応援されなければ動員は伸びず、収益は減少する。
だが、いっそ、何年か暗黒時代を経験したほうが、大改革をやりやすい空気を作れるかもしれない。

買ったリールにラインを巻いた。明日の朝、釣りに行こうか迷ったが、週末の方がいい天気で潮の時刻もいいし、無理に行くことはないと思った。
にもかかわらず、目覚ましは4時にセットして寝た。2時位まで寝付けなかった。