声つぶれる
2003年7月19日 土曜日
11時に小屋入りし、20分ほどマラソンをして体をつくり、柔軟体操などをしてマチネに備える。
2時開演のマチネにて、いきなり声がかすれまくった。
かすれるというよりは、発音の所々が裏返った。
完全に潰れる状態になったらしい。
低い声は注意深く出そうと思えば出せるのだけれども、少しでも声を大きくしようと思った途端、裏返ってしまう状態だった。
最低限、台詞がなんとか聞こえる状態にするのが精一杯。
しかし声があれだけ裏返ってしまっては、それも難しいだろう。
不思議なもので、声が十分に出ている時よりも、回りの役者の顔がよく見えた。
心配そうにしている顔や、台詞を聞き取ろうとしている顔など。
そして、相手の存在というものを、とても重く感じた。
声が出ている時はむしろ見えていない。
シーンが終わった時に振り返っても、記憶に残っているのは客席の様子と照明の感じだ。
相手役の顔は余り覚えていなかった。
それが、マチネでは、とてもよく覚えていた。
マチネ後楽屋に戻ると中山君に、
「ドカさん! あんなに枯れるなんて! もう!」
と言われた。
休憩時間中に喉の消毒をし、首筋を暖め、マラソンをして体を暖めてからソワレに臨む。
ソワレはマチネよりやや声が出た。
が、後半になると裏返ることが多かった。
山口君と藤井さんが見に来た。
そして村川さん、鏡田君、モチメなど。
皆、「声大丈夫ですか?」と心配してくれた。
厄介なことに痛みや異物感などの自覚症状がまったくなく、普通にしていても自分の喉が枯れているとはまったくわからなかった。
芝居の声を出そうとして初めて枯れていると自覚できる、それが一昨日までの状態だった。
ソワレ終了の9時過ぎからは「沈黙」を続け、自然治癒を利用する。
一切喋らず、喉を甘やかす。
