脳を見て俺の脳だと思う俺の脳

2006年3月5日 日曜日

 C64デモを何も考えずに見まくると、右脳が刺激されていくような気がする。
 10年以上前に、ビデオドラッグなるものが流行ったが、C64のデモはどれもこれもそれだ。
 見ていると、自分の脳みそをスキャンされて、それが画面に表示されているように感じてくる。
 (ああ、俺の脳みそだ・・・)
 そして窓から差し込む午後の日差しはだいぶ暖かい。
 画面を見つめてそれを俺の脳みそだと錯覚しつつある俺の脳みそは暖められていく。
 あるいは暖められたからこそデモ画面を俺の脳みそだと思い始めたのかもしれない。

 松尾スズキ監督『恋の門』見る。
 有名人のカメオ出演が多い。
 庵野秀明・安野モヨコ夫妻が旅館の主人と女将だった。
 『茶の味』にも庵野氏は出ていて、不思議といい味を出していた。
 意外なほど芝居勘がある人だと思った。

 塚本晋也が編集者の役で出ていた。
 いきなり突然死してしまうのだが、この人は変死体姿が本当に似合う。
 見事な「型」だった。

 それほど映画大好きな人生を送ってきたわけでもなく、演劇やその他の表現活動で培った感性だけで撮った映画なのに、ちゃんと面白く見ることができた。
 気負うことなく自分の土俵をつくり、そこへ作品を引きずり込むやり方は、松尾スズキの最大の武器だろう。
 そしてその武器の取り扱いには、世間的には目立たぬバランス感覚が働いていると思える。
 作品の内容や思想を真似たら、途端に安っぽくなる。
 たぶん、すぐバレると思う。
 そのバランス感覚こそ盗み取るべきだろう。

 夜、久しぶりにプロレスリングノアを見る。
 秋山と鈴木みのるのGHCヘビー級タイトルマッチを放送していた。
 秋山はアバラを痛めており、腰がきかないようだった。
 両者ともレスリング技術が高いのに、そうした攻防はほとんど見せず、後半はビンタ合戦に終始した。
 しかし、200発は張り合ったビンタ合戦は、明らかに鈴木みのるに分があり、受けるダメージは秋山の方が大きかったようだ。
 鈴木みのるがパンクラスで掌打の攻防を散々やってきたこともあると思うが、秋山は腰の回転がきかずちゃんとした張り手が出せなかったようだ。

 ビンタ合戦の後、ジャンピングニーからリストクラッチ式のエクスプロイダーで秋山が辛くも勝利した。
 が、秋山の欠点が浮き彫りにされた試合だったと思う。
 それは、説得力がある打撃技を持っていないことだ。
 例えば小橋には逆水平チョップ、三沢にはエルボーがある。
 ジャンピングニーはうまいと思うけど、連発がきかない。
 得意のスープレックス系は年齢的にも腰の状態的にも今後はそれほど出せなくなってくるだろうし。
 もしかすると、GHC王者として君臨するのは、これが最後になるんじゃないだろうか。
 そんな不吉なことを思う夜だった。

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