苦いチョコ

2006年4月20日 木曜日

 8時半に起きる。
 顔を洗い、着替えて出かけようとしたが、読む本がないことに気づいてパニックを起こす。
 本棚の前でどれを持って行こうか悩み、開高健の『ずばり東京』を選んだ。

 活字中毒者というものは、頭の中を常に活字で満たしていたい人のことをいうのだろう。
 活字は脳内で言葉になるわけなので、ウォークマンで落語を聞かずにいられない人も資質としては活字中毒者と同じだ。
 高校生の頃は深夜放送をよく聞いたが、あれも脳の中を言葉で満たしていたいという欲求がそうさせていたのかもしれん。

 『ずばり東京』は1960年代初期に書かれたルポ、というよりエッセイで、東京のいろいろなところに開高健がおもむき、そこで見聞きしたことが題材になっている。
 読むと、高度経済成長期の底辺を支えてきた庶民の姿が浮かび上がってくる。
 日記スタイルで書かれた、新劇女優の日々は、今も昔も変わらないなあと思わせる。

 プロレスのムック本で、前田日明と新間寿の対談を読んだ。
 文春での対談とは違い、終始リラックスしている前田日明が印象的だった。

 今、Hero’sで活躍している所英男は、前田のマンションに通ってトレーニングを積んでいるらしい。
 「俺は丹下段平」
 と前田は記者会見で語ったというが、道場で複数の新弟子を相手にするよりは、そうした一対一のトレーニングの方が、前田日明の<兄さん性>は出やすいんじゃないだろうか。
 トレーニングが終わった所に、手製の豚しゃぶを食わせているらしいが、長年の前田ファンとしては、いいなあ、と思うしかない。

 高田延彦の本や宮戸優光の本を読んで思ったのだが、二人っきりの時の前田日明は極めて良い先輩だと思う。
 なかなか体重の増えない新弟子時代の高田とファミレスに行き、テーブルに乗りきらないほどのメニューを、ビーバーみたいに口をぱんぱんにふくらませて一所懸命に食べた話。
 道場見学にきてそのまま練習生となった宮戸に、自分が読んで面白かった本の話をする話。
 どちらも、ほっとするエピソードだ。

 もちろん前田日明には悪いところがたくさんあるのだけど、仇敵との対談できちんと言いたいことを言ったり、仲直りできたりするのは、希有な資質だと思う。
 もし万が一、かつて自分を後ろから殴打した安生洋二と仲直りなんかしたら、たぶん俺は泣いてしまうだろう。

 夕方、白菜と豚肉、豆腐を買って帰宅。
 このところ野菜中心の鍋ばかり食べている。
 野菜を食うにはやはりこれが一番手っ取り早い。
 暑くなったらさすがに辛いけど。

 ジョギング、今日は西へ走る。
 五日市街道沿いの、元ラーメン二郎吉祥寺店まで往復。
 今その店は、ラーメン生郎というらしい。

 シャワーを浴び、野菜鍋を食べ、メールをやり取りし、書類仕事をするともう11時半になっていた。
 ジョギングの帰りに買った、明治のカカオ72%チョコを食べる。
 苦い。

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