シャロンがノーマーク

 人質になった別の日本人二人も解放された。
 高遠さんの家族が記者会見で感情的になったことが、日本人の注意をテロからそらしているように思う。
 誘拐事件が起こったことで、ボランティアの人やフリーカメラマンがイラクに残っていたことを初めて知った人は少ないはずだ。
 みんな知ってたのだ。
 知っててなにも注意しなかったのだから、誘拐されたことで自己責任だなんだ言うのはおかしいと思う。
 そんな言葉、この十年でほとんど聞かなかったし。

 誘拐事件そのもので一番悪いのはテロリストである。これは間違いない。
 テロリストを駆り立てるのはアメリカの強引な対テロ活動で、アメリカが今みたいになったのはニューヨークテロ事件がきっかけで、その事件の遠因はアメリカの政策がイスラエル寄りということにある。
 アメリカの罪はパレスチナという土地についてあまりにもユダヤ寄りに考えていたことにある。
 そして国際政治の罪はアメリカの対パレスチナ政策について真剣に釘を刺さなかったことにある。

 混迷の源はパレスチナにあることは分かり切っている。
 だから、本当に平和を望むのならば、イスラエルに働きかける手だてを講じる方がより直接的なはずだと思う。
 とはいえ、どうすればいいのか、わからないのだが。

 自衛隊が、かつてのセルビア、クロアチアを仲裁するような目的でパレスチナに派遣されるとしたら、反対運動の根拠は憲法9条しかなくなるだろうか。

 イスラエルがシャロン政権になってから、世界は急速に混迷の度合いを増した。
 その前のアメリカで話題になっていたのは、ブッシュとゴアの大統領選があまりにも僅差で大変だ、とかいうものだった。のどかなもんだ。

 俺たちはアラブを知らないなあと、つくづく思う。

 ボランティアに関しても、その活動を誹謗するつもりは毛頭ないが、イラク以外にも例えば西アフリカのシェラレオネの方がその悲惨さは根が深く癒し難いものだと思う。
 虐殺から10年経ったルワンダは、今はもう大丈夫なのか?

 背負うのは無理だ。
 が、知る努力は惜しまないでいたいもんだ。

 今の世界情勢は、ワイドショー番組では荷が重すぎるのではないか?
 馬鹿じゃない人を馬鹿にする効果がとても高い内容を放送していると思う。
 語るべき語彙があまりにも乏しすぎるし、火に油を注いでばかりいるような気がする。

 色んなことがすっきりしなくて気持ち悪い。
 なにがしたいのかわからなくて腹が立つ。
 敵が見えない。